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当館は地域に根ざした歴史・民俗に関する資料を中心に収集・保管・展示するとともに、時代や町民の声に応じた企画展や講座・講演会などを開催しています。
旧吾妻第三小学校校舎(群馬県指定重要文化財)を活用した常設展示室(本館)には、7,000点を超える資料を展示公開しており、郷土に関する豊富な資料に触れることができます。
博物館としてはもちろんのこと、明治時代の学校の教室や廊下の雰囲気を味わえる文化財としてもお楽しみいただけます。
当館の常設展示室となっている本館の建物は、明治18年(1885)に開校した吾妻第三小学校の校舎です。町の中心の高台に建っていて、明治時代の擬洋風学校建築として全国的にも数少ない建造物です。
学校建設以前の江戸時代、もともとこの地は十二山と呼ばれていて、山神である十二様が祀られていました。そのときの境内木だった欅(ケヤキ)の木が、今も当館には2本残っています(オリジナルキャラクター「ケヤッキー」のモチーフにもなっています)。
大正時代に入り、この校舎は新たに町役場として使用されるようになりました。昭和53年(1978)、群馬県の重要文化財に指定されますが、改造や造築により建築当初の姿を失うほどになっていました。「町の貴重な財産として後世に永く伝えなければならない」という思いから、県教育委員会と文化庁の指導・援助を受けて保存修理が行われ、建築当初の姿に復元されて現在に至ります。
校舎内は、小学校当時の雰囲気を感じられる教室や廊下をそのまま残しています。懐かしい学習机と椅子、弁当箱、オルガン、だるま(石炭)ストーブなどに囲まれて、一昔前にタイムスリップしたような感覚を味わってみてはいかがでしょうか。
フォトスポットとしてもオススメできる場所となっています。
・明治16年(1882)
同15年に出された「小学校建築心得」に準拠して設計し着工。
・明治18年(1885)10月4日
新築校舎落成(工事費は、当時としては多額の5,244円)。
同年2月の学区改正により、第105学区吾妻第三小学校として開校。
・大正7年(1918)11月~昭和53年(1978)12月
中之条町役場庁舎として使用。
・昭和53年(1978)10月13日
「旧吾妻第三小学校校舎」として、群馬県指定重要文化財に指定される。
・昭和55年(1980)9月~翌年8月
保存修理を行い、建築当初の姿に復元(総経費5,275万円)。
・昭和57年(1982)11月6日
中之条町歴史民俗資料館として開館。
・昭和61年(1986)2月
博物館相当施設に指定される。
・平成15年(2003)3月31日
展示研修施設(新館)完成。
・平成22年(2010)11月15日
県博物館登録原簿に登録され、登録博物館として認可される。
・平成23年(2011)1月5日
中之条町歴史と民俗の博物館「ミュゼ」に名称変更(「ミュゼ」はフランス語で“博物館”)。