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05 1番 原沢香司議員 令和7年12月定例会議一般質問
〇1番(原沢香司)それでは、事前の通告に基づき、本日2点について一般質問をいたします。1点目は、昨日の一般質問でもかなり踏み込んでやり取りがありましたし、私の後にも関連する質問があると思いますが、クマをはじめとした野生動物と住民の生活との関わり合いについて伺います。2点目は、再生可能エネルギー活用のための太陽光発電パネルの状況と今後について質問をいたします。どちらの問題も中山間地にある中之条町における私達の暮らしにとって非常に大きな影響を及ぼす問題であり、長期的視野に立って考えていかないと、町民の暮らしの安全安心が守れなくなるという危惧から、質問を通してあるべき対策について考えていきたいと思うものです。
まず、野生動物と住民の暮らしについて伺います。住民あるいは町を訪れた人がクマなどの野生生物によって心身を傷つけられるような事態をいかに防いでいくか、これは他の議員の質問でも一番重視されている観点です。東北では災害級と言われるほどに人への被害が拡大したことを受け、自治体だけでなく、国もその対応に乗り出し、クマ対策パッケージをまとめるなどしています。災害級とも称される緊急事態ですから、被害に遭わないように、猟友会や鳥獣被害対策実施隊のみなさんのご協力を得て、猟銃でクマを殺傷するなどの対応を行うべきである事は間違いありません。あわせて、長期的視野に立って住民の暮らしをどのように守り、居住の安全を保障していくのかという視点を持って対策を考えていかなければいけないと思います。
まず初めに、近年の状況について伺います。野生動物による農業被害、人的被害の発生状況の最近5年間の推移はどうなっていますか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)それでは、原沢香司議員のご質問にお答えさせていただきますが、その前に、昨日もやはり雪が降っている中にあっても人的被害が数件全国であったというふうな報道もされておりますし、まだまだ有害鳥獣、特にクマについての被害については予断を許さない、そんな状況が続いているのかなと、こんなふうに思っておりますので、そういったことを踏まえまして、昨日の議論を踏まえて、本日の原沢議員のご質問にお答えをさせていただきます。
お尋ねの有害鳥獣による農業被害でございますけれども、令和7年度の農作物の被害は、年度末の集計になりますので、現在では取りまとめておりませんけれども、令和2年度から令和6年度の5年間にかけては、900万円から1,000万円程度の被害額で推移をいたしております。
令和7年4月から10月までに有害鳥獣による人的被害は報告はありません。また、令和2年度から令和6年度の5か年間におきましても人的な被害は確認されておりません。よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)答弁にて、令和2年度以降では人的被害が発生していない事を確認いたしました。一昨年や今年のように目撃情報が多発しているにもかかわらず、人的な被害が出ていない事には、連日の防災無線での注意喚起などが功を奏しているものと思います。
一方の農業被害ですが、質問した5年間の推移はほぼ横ばいのようです。しかし、担当課から頂いた資料では、13年間の推移が示されていたのですが、最も古い平成24年度、13年前の実績は3,600万円と、昨年度の3倍以上の金額でした。徐々に被害金額が減少しているのは、町が行っている有害鳥獣対策が効果を上げているのと同時に、農業の生産量、すなわち母数も減少していることも併せて見ていかなければいけないなと考えております。農業そのものをどうして行くかはこの後の質問で考えていければと思います。
今年度多発するクマの目撃情報を受けて、町では各種の対策を講じています。緊急銃猟のマニュアル作成、目撃情報を登録するアプリの導入など、県内の他市町村に比べて迅速に必要な手だてを取られていることと思います。執行部の速効性のある指示と、現場の係のみなさんの素早い対応のおかげだと思います。
また、最近では群馬県警が中之条町内でドローンを活用してのクマの警戒を行ったとの報道もありました。他の機関とも協働し、でき得る限りの対策をしていただいているものと理解をしております。
ここで伺います。町は、実を収穫せず管理が難しくなっている住宅地周辺の柿や栗の木を切るよう住民にも協力を求め、業者に依頼した場合5万円を上限に経費の半額を助成することにしました。中之条町に続いて前橋市、今日の新聞報道によれば片品村も同様の制度を取り入れるとのことです。昨日も回答されましたが、確認のため、この中之条町緊急柿の木等伐採事業費補助金の申請状況はどうなっていますか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)今原沢議員からご質問ございましたけれども、本日の新聞報道、片品村でなくて、川場村でございますので、ご認識をいただければと思います。よろしくお願いします。
それでは、昨日の同僚議員からの一般質問におきまして答弁させていただきましたけれども、クマによる人身事故を防止するため、住宅地周辺にあるクマの餌となるような樹木を伐採する場合、町から補助金を交付する中之条町緊急柿の木等伐採事業費補助金を開始をさせていただきました。放置されている柿や栗はクマを誘う原因になりますので、もしこれらの樹木が不要で、放置したままでいるのであれば伐採をお勧めし、どうしてもご自分で伐採をするのが困難な方がおりましたら業者を頼む事となりますが、その経費の一部について町が補助を行うものでございます。
議員お尋ねの概要としては、樹木の太さが胸高直径20センチ以上であることや、処分費用が補助対象外とする等、一定の基準はございますが、伐採経費の2分の1で上限5万円までの補助を行います。申請状況につきましては、11月末現在、24件で91万円が見込まれております。なお、柿の木が29本、栗の木が22本という内訳でございます。よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)ご指摘ありがとうございました。川場村が正しいですよね。私の質問を訂正させていただきます。ありがとうございます。
この中之条町の事業費補助金制度ですけれども、11月6日の新聞報道では、町は10件程度の利用を見込んでいるという事でしたので、推定を超える利用状況があるという事だと思います。昨日も答弁にございましたけれども、問合せも100件を超えてきているという事ですので、町民の関心が大変高いことをうかがわせる数字だと思っております。
この伐採補助事業ですけれども、餌を求めて人家や農地にクマが出てくることを防ぐために有効な手段であることは間違いありません。クマの生態については、昨日の質疑でも様々やり取りありましたけれども、テレビなどでも専門家が様々な観点から解説を行っています。しかし、専門家が分析した地域と別の地域ではもちろん条件が異なりますので、1つの分析結果を全国全てのクマの行動に当てはめるのは問題があると思っています。大切なのは、その現場現場で起きている事実の確認であって、生態について安易な結論づけを行うのは注意が必要であると思います。
ここで伺いますが、ツキノワグマ、ニホンジカ、ニホンザル、イノシシの生息実態、管内の生息数などについて調査を行っていますか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)生息実態についての調査は、現在中之条町では行っておりません。今後そういう必要性もあるのかなというふうなことは認識をいたしております。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)住民の生活領域に入ってきた野生動物を駆除するなどの対症療法はもちろん必要ですが、そこに至るまでの要因をしっかりと突き止めることが必要だと考えます。クマの生息数は減っているのか、増えているのか、人里に出てくるクマの割合は増えているのかなど、分析するためには生態調査が欠かせないと思います。
国のクマ対策パッケージでも個体数管理の強化とロードマップ策定が織り込まれ、環境省が鳥獣保護管理に関する専門家の派遣事業も開始したようです。ぜひこういった専門家を招いての科学的な知見に基づいた計画策定の着手を要望いたします。
ここから中之条町においてクマが住民の生活領域に入ってくる要因を探っていきたいと思います。キャンプ場のごみや家庭ごみが野生動物の餌になっている実態はありますか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)現在のところ、キャンプ場や家庭のごみが野生動物の餌になっているという報告は、農林課では把握してございません。令和6年2月8日付でクマ類保護及び管理に関する検討会によるクマ類による被害防止に向けた対策方針が示されましたが、クマ類による被害防止に向けた行動として、集落周辺の生ごみ、コンポスト、収穫残渣等の誘引物の除去が記載されており、管理徹底の必要性は理解しております。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)人間の生活がクマを呼び寄せてしまうような事態が生じないように徹底した管理をお願いしたいというふうに思います。
長野県軽井沢町で環境教育を行うピッキオというNPO法人では、クマに発信機をつけて生態を把握する、またベアドックと呼ばれる犬を使って対象のクマを追い払うなど、ユニークなクマ対策を講じており、成果を挙げているということです。先日、長野原町のほうでピッキオの講演会があったという新聞報道もありました。軽井沢でも別荘地から出るごみがクマを誘引する要因になり、対策が必要になったとの事でした。ごみのことは常任委員会の所管になるので、詳しくは掘り下げませんが、保健環境部署も連携して対策にあたっていただければと思います。
餌の不足とともにクマが人里へ出没している要因が、荒廃農地が増えていることだと指摘されています。高齢化や人口減に伴って農地が整備されなくなった結果、クマが放置された柿の木を食べに来たり、木が生い茂った河川周辺を移動経路にしていた事例などが全国で報告されています。
農林水産省によると、耕作放棄によって作物を栽培できなくなった群馬県内の荒廃農地面積は2022年度に8,729haと、10年前から約1割増えたという集計です。そのうちの7割は森林化などが進んだ再生利用が困難な荒廃農地とされています。
ここで伺います。農業、林業の衰退が野生動物の生息域を広げている一因と考えますが、町長の見解はいかがですか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)私も原沢議員と同じように、やはり農地の荒廃というのは大きな要因の一つであるというふうには考えております。
そして、人口減少と高齢化が進行し、中山間地域を中心として人の活動が縮小していく、そういった中で有害鳥獣被害が顕著になっているという感じをいたしております。農業が衰退して耕作放棄地が増えれば、獣が隠れるような場所ができることになりますし、また森林内で仕事をする林業従事者等が減少すれば、徐々にクマは人への警戒心が薄れて、集落周辺にも出没する要因になっているものと考えております。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)人口が減少して産業構造も変化している中で生じているのが昨今の鳥獣被害であるということは、町長の答弁からも間違いがないと思っております。農業や林業などを基本とした里山での暮らしが経済的発展の中で後景に追いやられ、通勤をして賃金を得る都市型の生活が当たり前になっている中で、どのように町民の生活基盤を守っていくか、これは簡単な課題ではないと思います。
次に伺います。長い視野に立って野生動物の問題を考えた際には、撃って殺すだけの対策では限界があると考えますが、今後の対策として検討していることはありますか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)令和6年2月8日付でクマ類保護及び管理に関する検討会による、クマ類による被害防止に向けた対策方針が示されました。その中で、人の生活圏とクマ類の生息域を区分けするというゾーニング管理について記載がございます。鳥獣保護区等の保護区を適切に設置、管理することで、クマが安定的に生息し、人の生息圏とのすみ分けができる環境を確保することが必要であります。また、杉のような針葉樹の中にブナを植えればドングリを増やすことができるので、針葉樹と広葉樹が混じり合った森林に変えていく取組があるということも聞いております。
いずれにいたしましても、今後の対策につきましては、国の交付金等の活用を検討しながら、効果的な対策を考えてまいりたいと思いますので、いろいろご意見、ご指導がありましたらよろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)昨日の質疑でも取り上げられましたけれども、ゾーニング管理、本当に大切だと思います。緩衝地帯がなくなって、野生動物の生息域と人間の生活圏が直接つながってしまったことがクマなどの出没を招いていることは間違いがないと思います。緩衝地帯がかつては林業をやる人達、農業をやる人達によって保全されていた、そういうふうに思っています。緩衝地帯を復活させるためにも、農業人口、林業人口を維持していく事、増やしていく事が野生動物対策にも欠かせないと考えますが、町長の見解はいかがでしょうか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)2015年の農林業センサスでは、農林業経営体数は524件となっております。その後の2020年センサスでは406件に減少しておりますので、農林業に従事する人口はこの5年間で2割以上減っていることになります。
農林業が魅力的で持続可能な産業になるよう、国の政策を注視しながら、私どもも選択と集中のスタンスで認定農業者支援を強化するとともに、新規就農者を増やす取組等を行う必要があります。農村での人間の活動が縮小となりますと、有害鳥獣の行動範囲が拡大する事となりますので、農業人口、林業人口を維持していく事は大変重要な取組だと考えておりますけれども、なかなか難しい問題であるとも認識をいたしております。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)本当に難しい課題だと私も思っております。農業、林業を守って育てていく事、本当は国にいろいろと、町長の答弁にありましたけれども、政策を求めたいところなのですけれども、国の政策は米の問題でも、増産だと言ったと思ったら、次の年には減産だと反対に転じてしまう。どうにも現場の苦労や努力に寄り添った政策が行われているとはとても思えない状況が続いています。率直に言って頼りになりません。
ここまで農業を衰退させたのは食糧管理、減反政策や農地政策、国際的な自由化への対応の遅れです。林業においては、戦後の復興期から高度経済成長期にかけての拡大造林政策と輸入自由化という2つの大きな政策転換が衰退の原因と言えます。そういった政策への反省もなく行われている国の農林業政策が、これからの中山間地を活気づけるものになるとは、私はどうしても思えません。そんな中で、中之条町は町長の答弁にありましたとおり、選択と集中で認定農家を増やす、新規就農者を増やすための努力を本当に頑張ってやっていただいていると思います。
さらに、以前の一般質問でも触れましたように、観光部門との連携強化や販路の工夫など、農林業を盛んにするために行えることはまだまだあると思っております。今日は、野生動物と住民の生活が質問の趣旨なので詳しくは触れませんが、また別の機会に議論をできればと思っております。引き続き農業と林業を持続可能なものにしていく、この課題への取組を強めていただくことを要望いたします。
それでは、2つ目の質問項目に移ります。中之条町は2013年に、「再生可能エネルギーのまち中之条」を宣言しました。持続可能な循環型社会を構築し、地球温暖化防止や低炭素社会の実現のため、太陽光、小水力、バイオマス、地熱及び風力等の再生可能エネルギーを積極的に活用することによって、自然環境への負荷を抑え、同時に電力の地産地消等の取組を通じて、活力のある住みよいまちづくりを行うため宣言をしたと文面にあります。
2011年に東京電力の福島第一原発事故が発生し、再生可能エネルギーの活用にかじを切ったことは正しい政策だったと思っております。同じ年、2013年に全国初の自治体新電力として、一般社団法人中之条電力を創設、各方面からの大きな注目を得て今日まで発電事業を行っているものと理解をしております。
町の発電事業として、沢渡温泉第一太陽光発電所、沢渡温泉第二太陽光発電所、沢渡温泉第三太陽光発電所の3つがメガソーラー、すなわち大規模太陽光発電所として稼働していますが、それぞれのパネルの数を合計すると2万7,400枚という大変多くのパネルが使われております。
まず伺います。一般社団法人中之条電力の所有する太陽光発電パネルの耐用年数はいつまででしょうか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)それでは、原沢議員のご質問にお答えさせていただきますが、ご質問をいただきました中之条電力所有の太陽光発電パネルということでございますが、中之条町で行っております太陽光による発電事業は、中之条電力の所有ではなく、中之条町がリース契約によりその設備等を利用し、事業を行っているものでございます。
太陽光発電パネルの耐用年数につきましては、税制上の法定耐用年数は17年でありますが、実際の太陽光発電パネルの寿命は20年から30年程度が目安とされておるようでございます。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)沢渡の第一と第二が2013年の稼働開始、第三が2017年の稼働開始なので、耐用年数が20年という答弁でしたので、2033年から2037年頃にその時期が来るものと思います。
次に伺います。耐用年数を過ぎたパネルの処理方法は決まっているのでしょうか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)現在中之条町では、3か所の太陽光発電所の管理、運営を行っており、それぞれの開始年度が違いますので、耐用年数が終了する時期も変わってきます。それぞれ違う環境によりパネルの破損や故障が発生し、随時更新を行っておりますが、20年経過した後は契約が満了した場合は中之条町に無償譲渡される契約となっております。現段階におきまして、引き続き発電事業を継続するか、直ちに廃棄処分とすることは決定いたしておりませんので、そのときに判断することとなると思っております。よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)廃棄処分も判断の一つになるかもしれないと答弁でしたけれども、ご承知のとおり太陽光パネルにはカドミウムや鉛などの有害物質が含まれるおそれがあり、産業廃棄物として処理する必要があります。処理の方法などについては、常任委員会の所管ですので触れませんが、大量のパネルを廃棄するのにかかる費用のことが懸念されます。
ここで伺います。耐用年数を過ぎたパネルを更新するための費用積立てはできているのでしょうか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)更新や廃棄にかかる費用の積立てにつきましては、運転開始時から中之条町発電事業基金条例により積立てを実施しております。また、令和3年9月より、「太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度について」が資源エネルギー庁から発出されました。20年の交付期間の終了10年前から源泉徴収的な外部積立てが始まり、解体等積立金として差し引かれた金額を発電した料金として受け取ってございます。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)運転の開始時から積立てを実施しているとのことで、安堵いたしました。
今日も群馬県の企業局が八ツ場ダムの売電をFITからFIPに切り替えるとの報道がありました。再生可能エネルギーをめぐる買取制度や設置認可のプロセスは一貫性がなく、迷走しているような印象を持ちます。2012年に導入された固定価格買取制度FITは、高い調達価格を設定され、一気に再エネ導入を進めることには成功しました。
一方で、高い調達価格のコストを賄う再生可能エネルギー発電促進賦課金、再エネ賦課金というものですけれども、これが電気料金に上乗せされ、国民の負担が増大し、その揺り戻しとして国は急激に買取り価格を引き下げ始め、より市場価格を反映するフィード・イン・プレミアムFIPの制度へと移行を進めるなど、制度自体が複雑かつ頻繁に変更されています。また、発電はされたが送電網が整っていない、許認可に遅延が生じるなど、制度が迷走を続けたまま今日に至っていると言えます。
このような国の政策に町の発電事業や中之条電力、中之条パワーの運営も翻弄されてきた、そのように捕らえております。これまでのご苦労が大変忍ばれるわけですが、エネルギーの地産地消という目的自体は引き続き堅持していただきたいと思っております。
折しも東京電力の柏崎刈羽原発や北海道泊原発の再稼働について取り沙汰されております。二度と原子力発電所の事故などを起こしてよいはずがありません。全国初の自治体発電事業という困難を伴いながらも、10年以上にわたり持続してきた町の大切な事業だと思います。今後も国の政策に翻弄されることは目に見えるわけですが、引き続きエネルギーの地産地消を強められるよう、事業展開されることを望みます。
ここまで中之条電力の発電事業について触れましたが、次に個人や民間事業者による太陽光パネル発電について伺います。農地に太陽光発電パネルを設置するために必要な手続は何でしょうか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)農地を住宅や駐車場等の農地以外の用途に利用することを農地転用と言いますけれども、中之条町の場合は県知事の許可が必要となり、太陽光発電施設につきましても農地転用の許可が必要であります。また、対象農地が町の農業振興地域整備計画による農用地区域という、長期にわたり総合的に農業振興を図るべき区域に指定されている場合は、まずそれを解除してからではないと農地転用を行うことができません。
なお、特殊な例として、営農型太陽光発電、ソーラーシェアリングというものがありますが、これは農地に太陽光パネルの支柱を長くし高くして設置し、その下で作付けをしながら発電と営農の両方を行う仕組みでございます。この場合は、支柱の部分については3年間の一時転用の取扱いとなります。また、パネルの下に作付けした作物は、平均的な単収と比較しておおむね2割以上の減収にならないよう栽培管理をしなければなりません。ソーラーシェアリングによる町内の許可件数は3件となってございます。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)答弁でソーラーシェアリングについて触れられました。発電と営農を両方行っていくというものです。私も実際にソーラーシェアリングをやられている畑を見せていただきましたが、耕作放棄地を増やさない対策としては大変有効なのではないかと思っております。現在3件の許可があるということですが、もっと広まってよいのではないかと思っています。実際に運営していく中で問題点も明らかになってきているかと思いますので、ぜひソーラーシェアリングの研究を深めていただき、農地を荒らしてしまう前に、こういう方法もあるよということで町民にも周知いただければと思っております。
もともと農地であった場所にソーラーシェアリングでなく、太陽光発電施設を造るには農地転用の手続が必要とのことでした。では、この手続申請を行ったけれども、許可されなかった例はありますでしょうか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)当町におきまして、一般的な太陽光パネルの設置に関して農地転用が認可されなかった例はございません。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)認可がされなかった例はないということでした。実際にかつての農地に太陽光パネルが並んでいる光景がどんどんと広がっています。
先日、ある町民の方からお話を伺いました。その方が家を建てた際は目の前は別の方の畑だったそうです。その向こうには田んぼもあり、とても静かで眺めがよい、そのことが気に入って家を建てたそうです。しかしある日、目の前の畑が太陽光パネルに覆われてしまった。パネルの下の草は伸び放題で、秋になれば雑草の綿毛が飛んできて洗濯物についてしまう。かつてはいなかった虫が発生して家の中に入ってくるので、窓も開けられなくなってしまった。大変困ってしまったということでした。その後、太陽光発電を行っている事業者に連絡をして、防草シートを張る処理を施され、草の問題は一応落ちついたとのことでした。
なぜ農地が太陽光パネルに変わってしまったのか教えて欲しい、そう言われたのが私の今日の一般質問につながっています。町内に太陽光パネルが設置されてから、こういった住民の方による相談は今回の1件だけではありません。他に懸念されるのが、役割を終えて経済性のなくなったパネルの行方です。
次に伺います。個人や民間事業者が町内に設置した太陽光発電パネルが撤去されずに放置される危険性はありませんか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)東日本大震災以降、国のエネルギー政策は太陽光や風力など、再生可能エネルギーの導入拡大が柱の一つとなりましたが、固定価格買取制度FIT制度導入から20年が経過する2030年から大量の太陽光パネルが放置される可能性があり、国におきましても太陽光発電設備の放置を防ぐため、法整備が進められております。
固定価格買取制度を利用する10kw以上の太陽光発電設備につきましては、2022年7月から発電期間の後半10年間にわたり、毎月の売電収入から設備の廃棄費用を外部積立てする義務が課され、設備が放置される事態を防ぎ、適切な処置を確保できるよう対策が取られております。
個人につきましても住宅に付随する太陽光発電設備となっておりますので、放置される可能性は少ないと思っております。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)先ほど国の再生可能エネルギー政策については触れましたので、ここでは繰り返しません。放置を防ぐための法整備がさらにしっかり進められるよう推移を見守りたいと思います。
いずれにしても、国の政策待ち、政策任せではいけないと思っております。一般社団法人地方自治研究機構の調べによりますと、太陽光発電設備等の設置を規制する特化条例が都道府県条例で9条例、市町村条例は323条例が制定されています。市町村条例のうち11が群馬県内の自治体で、近隣では高山村、渋川市、前橋市などでも制定をされております。
ここで伺います。無秩序な太陽光パネル設置を放置すると、将来的に環境や景観への負担となるので、設置に関する条例を制定すべきと考えますが、町長の見解はいかがでしょうか、答弁を求めます。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)太陽光パネルの放置による景観への影響と、条例制定のご質問をいただきました。中之条町では、平成25年に「再生可能エネルギーのまち中之条」宣言を行い、持続可能な循環型社会を構築し、地球温暖化防止や低炭素社会の実現のため、太陽光や小水力等の再生可能エネルギーを積極的に活用し、活力ある住みよいまちづくりを行うこととしております。太陽光発電事業を行う場合は、その事業規模や設置場所、発電出力などによって必要な手続は異なりますけれども、農地転用許可、林地開発許可、建築確認等の許可や届出が必要となります。
現在、中之条町では太陽光発電設備の設置に関する条例等の規定は設けておりませんが、景観条例におきまして、建築物や工作物について届出の対象と定めております。
長い歴史と先人達の努力によって育まれた豊かな自然、良好な景観や環境を次世代に継承していくためには、太陽光発電設備設置事業との調和を図る必要があると考えておりますので、今後条例等の整備につきまして、他の自治体等を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
〇議長(安原賢一)1番、原沢さん
〇1番(原沢香司)先ほど挙げましたほとんどの全国の条例ですけれども、自然、地球環境と再生可能エネルギーの調和というものをうたっています。再生可能エネルギーの必要性を認める一方、地域ごとの自然環境や歴史、文化などを壊す事が無いようにしていかなければいけない。そういう地域づくりへの理念を持った条例をぜひ制定していくべきだと思っております。
私も一議員として引き続き研究してまいりますので、当局にも研究を進めていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。