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05 6番 佐藤力也議員 令和7年9月定例会議一般質問
〇6番(佐藤力也)6番、佐藤力也です。令和7年9月定例会議、一般質問の通告をいたしましたところ、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
今回の質問は、大きなテーマで2つとなります。1つは、有害鳥獣対策について、もう1つが子どもへの性加害対策についてです。まず、有害鳥獣対策について伺います。本年に入り、全国的にサルやイノシシ、シカ、そしてクマなどの野生動物による農産物被害が広がっております。事クマにおきましては、北海道、東北を中心に人的被害が多数報告されており、国では9月1日に改正鳥獣保護管理法を施行し、自治体の首長判断による市街地における緊急銃猟が可能になるなど、緊急事態とも言える状況となっております。中之条町においても例外ではありません。昨日山本議員の質問にもありました六合地区に加え、伊参、そして沢田地区でもサルによる被害の相談が複数寄せられております。また、町内各所でクマの目撃情報が相次いでおり、子ども達の登下校や屋外での活動を含め、町民生活の安全そのものに対する不安が高まっております。この問題は、農業者の営農意欲をそぎ、収入減少を招くだけではなく、本町が誇る観光資源や地域経済、さらには未来を担う子ども達の安全と教育にも影響を及ぼす案件であります。登下校の安全確保やクマやサルに遭遇した際の正しい行動を学ぶ教育は、町として責任を持って取り組むべき課題であると考えます。有害鳥獣問題は、もはや一部の農家や猟友会の努力に頼るものではなく、町と町民、教育現場、地域団体が一体となって立ち向かうべき課題であります。町民が安心して暮らし、子ども達が将来に向けて安全に成長していける環境を整えるためにも、今こそ行政のリーダーシップが求められます。
そこで、今回はまず野生動物による農作物の被害状況や出没状況、現状の把握をし、町がこれまでどのような対策を進めてきたのか。その結果をどのように評価されているのかを確認し、町民の生活と農業、観光、そして子ども達の安全、教育を守るためにこの問題に対しての課題解決、改善に向けて今後どのような取組をされていくお考えなのか。町民の皆様からの要望や提案を交えながら、町長、そして教育長の見解をお聞かせいただきたいと考えます。
それでは、通告の項目に沿って質問をさせていただきます。有害鳥獣被害には、大きく分けて農産物の被害と人的被害の2つが考えられますが、まず初めに農産物被害の把握とこれまでの取組についてお伺いいたします。近年当町における農産物被害の現状はどうなっているのか、町長にお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)それでは、佐藤力也議員のご質問にお答えをさせていただきます。
近年の農産物被害についてはどうなっているかというお尋ねでございますけれども、議員お尋ねの有害鳥獣による被害状況でございますが、昨年令和6年度の農産物に対する被害額は927万円でございました。なお、令和4年度から令和6年度にかけて1,000万円程度で推移しております。3年間の累計は3,172万円となっております。よろしくお願いいたします。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)続きまして、これまでの町の取組についてお伺いいたします。町では、有害鳥獣による農産物被害を減らすための取組として、農作物を栽培する畑、農地への侵入を防ぐための防護柵ややぶ刈りに対する補助金、中之条町獣害対策事業委託金などの交付や捕獲、駆除に関しても様々な支援を行っているものと承知しております。
そこで、近年における補助金の利用状況と支援に対する効果はどれくらいあったかお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)補助金等の支援状況、利用状況はどうかというお尋ねでございますけれども、獣にとって隠れ場になるような場所をなくすため、獣害対策の一環としてやぶ刈りを行う団体や特定樹木という、例えば収穫せずに熟した実を放置しているような柿の木を伐採する団体に対して、整備に対する委託料を支払ってございます。近隣の方が5人以上集まっていただく等、一定の条件がございますが、1団体1回の申請につき20万円を上限といたしております。令和6年度の申請件数は2団体で8万2,000円の支払いがございました。ちなみに、令和4年度は4団体40万7,000円、令和5年度は3団体28万9,000円の実績となっております。
被害状況につきましては、先ほど答弁したとおりでございますが、令和4年度からの3年間は1,000万円前後で推移しており、被害額が爆増してはおりませんので、一定の効果はあったものと評価をいたしております。これは、地域住民の方の地道な追い払いによるものと認識をいたしております。なお、クマは保護動物でありますので、むやみに保護、駆除はできませんけれども、実施隊の協力を得ながら今後も適正に対処してまいります。希望する方には、ロケット花火や爆竹、パチンコ、轟音玉等を無料でお渡しておりますので、防護柵ややぶ刈りの補助金施策と併せて今後も継続して対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)これまでの対策についてお伺いいたしました。
有害鳥獣被害の中でもサル、イノシシ、クマ、シカといったところが大半を占めていると思いますけれども、昨日山本議員がサルについては事細かにご質問されていましたので、そこは省くとして、イノシシ、クマ、シカ、そういったところのそれぞれについての今後の取組はどのようにお考えかお伺いをいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)昨日の山本議員のご質問の中で、サルについては本当に随分ご答弁をさせていただきましたけれども、昨日の話の中でも説明をさせていただきましたが、シカ、イノシシ、それからクマも含めて、佐藤委員おっしゃるように減っている現状ではなくて、増えています。特にシカなどは、野反湖周辺から嬬恋にかけては農産物の食害、これがもう非常に顕著に増えております。こういったことも含めますと、もう獣害対策では環境整備、防護柵、捕獲を全て実施することで最大限の効果を発揮いたします。獣の種類を限定せずに粛々とこれから実施していく考えでおりますので、ぜひいろいろな情報を共有しながら、獣がこれから恐らくまだまだ人里へ下りてくる、あるいは人間が作ったものを食べて栄養バランスもよくなってきているということで増えるということが容易に想定されますので、町といたしましても積極的に考えていきたいと、このように考えております。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)町のこれからの対応についてお伺いをいたしました。有害鳥獣対策での農産物被害に対する対策におけるこれまでの取組における効果と今後の取組についてお伺いをいたしましたけれども、今答弁の中で獣の種類を限定せずに粛々と今までの取組を実施していくとのお話がございました。農産物被害の対策といたしましては、これまでどおりの対策がある程度の効果を発揮しているのではないかというところでございます。さらに一歩踏み込んで、違った新しい取組などもこれから考えていただければいいのかなと思うところでございます。
ただ、事クマに関して言いますと、農産物の被害というところではまだそんなにはクマ被害というところは報告はされていないのかなというところではございますが、人的被害という部分では非常に危険な状態にあるということは明らかでございます。
失礼いたしました。その前に、今補助金の利用件数が、件数を町長のほうからご報告していただきました。令和6年度の申請件数が2団体で8万2,000円ということで、それ以前は結構あったということですけれども、大分減ってきたということがございます。そういったところの理由としては、やはり作業の担い手の高齢化というところ、人手不足が予想されるところでございます。近隣の方で5人以上という条件、そして団体の構成メンバーの枠組みの緩和も今後検討されてはどうかと思います。ぜひご検討ください。
また、事クマ対策としては防護柵などの方法も効果はゼロではないにしても、効果は低いと考えられます。追い払い、捕獲、駆除といった対策の強化が必要と考えます。
そこで、観光地や住宅地、市街地での安全対策、クマ対策について伺っていこうと思います。町内至るところでクマの目撃情報が報告されておりますけれども、町ではその被害状況をどのように把握されているのでしょうか、お伺いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)佐藤議員おっしゃるように、クマについては今年も多ございますけれども、毎年やはりいろいろな出没状況の報告がございます。人的被害は、佐藤議員もご承知かと思いますけれども、過去にあった事例もありますけれども、ここのところ人的被害の報告というのは少ないわけでありますが、町なかにもやっぱり出没をするという状況にありますので、クマも昔のクマと違って今のクマはまた今風のクマに変わってきたのかなと、そんなようなネットニュースなんかでも流れておりますけれども、令和7年の4月から8月20日までの間の町内において、町に寄せられたクマの目撃情報は30件でございます。クマによる大規模な農作物被害や人的被害の報告はございませんけれども、ちなみに令和4年度は31件、令和5年度は58件、令和6年度は40件の目撃情報がございました。よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)今、町長より被害報告をいただきました。人的被害が今のところない、近年はないというところはほっとするところでございますけれども、目撃情報は大分増えてきているというところでございます。
そこで、町のクマ対策として、これまでの町の取組やどのようなことを行ってきたのか、またその効果についてお伺いをいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)町でのこれまでの対策と効果のお尋ねでありますけれども、町では実施隊の有害駆除活動の下、人家近くに出没したクマが直ちに人畜被害の可能性があると判断した場合、クマのおりを設置して行う緊急捕獲と誤ってくくりわなで捕獲されたクマを駆除する錯誤捕獲のほか、隊員の狩猟により捕獲されるケースがございます。令和6年度の総捕獲実績は73頭、今年度における現時点では28頭で、これらの捕獲圧によって人的被害が抑制されているものと考えております。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)クマ対策としての町の取組について確認をいたしました。
次の(3)の9月に執行予定の改正保護管理法への対応というところでございますけれども、昨日山本議員の質疑のほうに集中してありましたので、ここは省略させていただきます。よろしくお願いいたします。
続きまして、クマ対策について、今後の取組についてお伺いをいたします。他の実施隊の取組の導入や地域連携などの検討はされているのでしょうか、お伺いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)実施隊員の中には、吾妻郡の猟友会組織や県内の猟友会組織の方と交流を持っている方がいるため、他の実施隊の取組について適宜報告をいただいております。地域連携という面では、町の鳥獣害対策体制の充実を図るため、狩猟関係者だけではなく区長会や森林組合等もメンバーに含んだ中之条町有害鳥獣対策協議会を組織し、情報共有を行っております。地域の方には、やぶ刈りで獣のすみかを減らし、柿の木等の放置果樹をそのままにしないようお願いするとともに、町の補助金を活用して電牧柵や防除ネットにより防除をしていただきたいと考えております。よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)今、町長により今後の取組についてご答弁をいただきました。これまでのクマ対策の質問の中で、クマによる被害の状況、町のこれまでの取組についてお答えをいただきました。冒頭に申し上げましたように、この問題は一部の農家や猟友会の努力に頼るものではなく、町と町民、教育現場、地域団体が一体となって立ち向かうべき課題であると考えます。
そこで、今後の対策、取組として、これまでの町の取組に加えて、他の自治体の先進的な取組の採用などを検討すべきと考えます。クマの出没が確認された地域を中心に、専門家による動向調査や出没した場所や時期、そういったデータの収集と過去のデータ分析を図り、これまでに行ってきたやぶ刈りの場所の見直しや放任果樹の伐採、クマの寝床となる可能性が高い朽ちた空き家の撤去を行う必要があると考えます。さらに、観光地におきましては6年前に四万温泉地区に3台設置したクマよけの機械の効果、そういった機械の検証、そういったことや注意喚起の看板設置等が必要かなと思われます。考えられる可能な限りの対策を施して、今後この町から誰一人クマの被害者を出さないという、そういった強い姿勢で行政のトップとして取り組んでいただきたいと考えますが、町長の見解があればお聞かせください。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)県の鳥獣被害対策センター等の鳥獣被害に詳しい関係機関の指導を仰ぎながら、今後も効果的な対策を研究していきたいと考えております。
なお、先進的な取組としては、今年度から有害鳥獣の捕獲報告をスマートフォンで行えるように国庫補助事業を使ってシステム導入を行う予定であります。このシステムでは、出没した場合や時期のデータ収集もできますので、分析も可能となります。今後も継続して注視していきたいと考えております。
昨日、佐藤議員とちょっと立ち話でお話をさせていただきましたけれども、やはりもうクマが各地で出ているというのは全国的にも問題でありますし、観光地も含めて当町でも本当にどこに住んでいるか分からないという状況もあります。やはりおいでいただく観光客の方が被害に遭っても困ります。何より住んでいる方に被害があったら困りますので、どんな方法が有効的なのかというのをやはり情報をしっかり収集をして、それぞれの地域の実情に合わせて今後検討してまいりたいと、このように考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)ぜひ今後もクマ対策よろしくお願いいたします。
繰り返しになりますけれども、この問題は一部の農家や猟友会の努力に頼るものではなく、町と町民、教育現場、地域団体が一体となって立ち向かうべき課題であると申し上げてはおりますが、ともあれ猟友会や有害鳥獣対策実施隊の活躍なしには有害鳥獣対策は効果を発揮することはできません。再度確認の意味も込めて伺います。
猟友会や実施隊に対し、これまでに町では各種狩猟免許取得に関する補助金の交付をはじめ様々な支援を行い、その会員及び隊員確保に努めてきたものと承知しておりますが、その支援は十分であったのでしょうか。これまでどのような支援が必要とされ、町はその要望にどのように応えてこられたのか、お伺いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)猟友会あるいは駆除隊への支援ということでのお尋ねでありますけれども、支援ということでありますが、猟友会、実施隊ともに運営のための補助金を交付しており、今年度は隊員用のユニフォームを刷新をさせていただきました。なお、獣を捕獲すると捕獲奨励金が支払われておりますが、捕獲実績に応じてお支払いをしておりますので、ご本人の労務に対する対価となっております。
その他クマおりの設置や管理に対する委託料、それに伴うユニック作業を一部町が負担し、実施隊のクマおり設置に要する負担の負担軽減を図っております。何しろ実施隊のみなさん、猟友会のみなさんにもうお頼みするしか我々はすべがないので、こういった方々のやはり行動に、活動に対してしっかり町としても支えていきたいと、このように考えております。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)ただいま町長に猟友会及び実施隊への支援について確認をさせていただきました。
そこで、複数の猟友会に所属をする方からも要望や相談をいただいております。解体いただいております解体処理施設についてお伺いをいたします。以前、今の中之条ガーデンズのそばに染色館という施設があり、捕獲した動物の解体処理が行われていたと伺っております。近年使用されていないようですけれども、使用しなくなった理由と今後の運用について、町ではどのように考えているのか、町長の見解をお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)今ご指摘の施設でありますけれども、これが使用されなくなったというのは東北大震災の原発の事故により、やはり放射能が群馬県のほうにも流れてきて、野生動物あるいは農産物等にそれが数値として表れたということからあの施設が使われなくなったではないかというふうに理解をいたしております。
お尋ねの解体処理場の件でございますけれども、町で設置している解体施設ではございません。猟友会の方からその必要について伺っておりますが、現在はそれぞれが捕獲した個体を解体した後にごみ処理場に搬入していただき、焼却処理をしていただいております。解体処理場として考えられる候補地としては、以前吾妻広域町村圏が主体となり、中之条ガーデンズの前身である薬王園の一部の施設に捕獲したイノシシを加工するための施設が、現在は野生動物の肉が放射能汚染の関係で流通していないため、使われていない状況でございます。この施設を活用する場合には、中之条町が所有する施設ではございませんので、今後協議を要することとなりますし、既に施設は老朽化をいたしております。そして、修繕に要する経費も必要になると考えられます。
先日、現在6か町村において新たなごみ処理施設が建設に向けて今取り組んでおりますけれども、そのとき私のほうからこの施設に解体することなく搬入、焼却処理はできないかということを吾妻環境施設組合のほうにお話をさせていただいて、この会議の際にぜひ研究をしていただきたいということを中之条町の首長として要請をさせていただきました。研究ですので、どういう結果か分かりませんけれども、中之条町の実情、そして6人いらっしゃった首長さんには、吾妻郡のやはり実情というのは、これからそういった獣があるので、やはり処理するということも考えていただきたいということで、調査研究を申し入れさせていただきました。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)勉強不足のところあって大変申し訳ありませんでした。また、町長の提案、大変すばらしいものかなと考えますので、広域連携というところでこれからもその話は進めていっていただければありがたいかなと思います。
こういった実施隊の方の負担というのですか、やはりごみ処理場に持っていく時間というのは限られておりますので、解体をして時間が過ぎてしまうと次の日まで持ち越さなければいけないということで、やっぱり特に夏場は臭いが大変きついということで、本人はいいとしてご家族の方からのクレームとか近所からクレームとかというところもあったりするようでございますので、この問題については、また実施隊のみなさんの負担、ストレスにならないよう、これからも調査研究していただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、実施隊員の成り手不足の問題についてお伺いをしていきたいと思います。これまでも隊員の成り手不足については、他の議員の方も幾度となく一般質問または委員会で取り上げてきておりますけれども、実施隊の隊員数など現在の状況はどのようになっておりますのか。また、これまで隊員の確保についてどのような取組を行ってきたか、改めてお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)隊員の確保についてのお尋ねでございます。有害鳥獣の捕獲、駆除活動は、区長会や森林組合等も構成員となっております鳥獣被害対策協議会の中で、鳥獣被害対策実施隊によって行っております。実施隊は、主に狩猟免許の所有者で組織されており、令和7年8月20日現在84名、平均年齢は68歳の方々が熟練した経験を有し、活躍をしていただいております。なお、町では実施隊員を増やすため、新規で狩猟免許を取得する方に対してわな猟及び銃猟免許取得費用の一部について補助を行っております。引き続き隊員の確保に向けた方策について調査研究をしてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)ここで、隊員確保への取組について2点提案を申し上げたいと思います。1つは、積極的な広報、PR、2つ目は表彰制度の導入です。隊員の募集について、町民に対する周知が足りていないのではないかと感じております。もっと積極的に狩猟免許の取得における助成と併せて有害鳥獣を駆除した場合の対価、報酬、先ほど町長が申した褒章というのですか、対価、そういったところの、これだけもらえるといったら変ですけれども、そういったところの説明を兼ねたPRを文面でしていただくというところをやっていただきながら、鳥獣被害対策実施隊への入会についてPRしていくべきだと考えます。広報やホームページだけではなく、町の公式ラインを使ってのPR、また防災無線などを活用して、防災無線では今実施隊の募集を行っています。大変成り手がいなくて困っていますといったところ、そういったところを積極的にアピールして、最低1週間ぐらい流していただければ大分効果があるのではないかと。今、町では成り手不足で困っているということをしっかりとアピールすることが大事なのかなと思います。消防団員の成り手不足同様に、またそれ以上に成り手不足で困っている状況を伝えるべきではないかなと考えます。
2つ目の表彰制度の導入については、もしかしたらもうやっているのかもしれませんけれども、もしやっていたら私の勉強不足で申し訳ないのですが、新たな隊員を確保するということが一番の目的ではありますが、経験を積んだベテラン隊員の延命、そして隊員としての誇りを持っていただくことにつながるのではないかと考えます。実施隊に入隊し、地域の安心安全を守る意味で長年活躍をされてきた隊員の地域貢献に敬意を表し、微々たるものかもしれませんが、一年でも長く隊員として活動していただけるような目的で表彰制度の導入はいかがでしょうか。ぜひ検討いただきたいなと考えます。もし見解をいただけるなら、よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)2点今ご提案をいただきましたけれども、PRについては防災無線ということにこだわらず、いろいろな面で猟友会の皆様、実施隊の皆様と相談させていただいて、事実上私のところに来ているのはやはり隊員の確保難しいのと高齢化してきているというような実情もございますので、そういった方々と連絡を取りながら、実施隊員あるいは猟友会の会員を増やせるというのか、維持や確保するというような方法を考えてまいりたいと思っております。
表彰制度については、まだそういうことはございませんけれども、少し検討させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)検討していただけるということで、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
これで、ここまでで町長に対する有害鳥獣に対する質問は終了とさせていただきます。
続きまして、教育長にお伺いをいたします。この有害鳥獣に対する子ども達への教育についてというところで、ヒグマによる被害が数多く発生している北海道では、道教育委員会が学校や市町村教育委員会向けにヒグマ出没時の対応をまとめた通知を8月18日に出したそうです。内容は、クマ出没時の臨時休業やオンライン授業の検討、登下校中の教職員の車での見回りや保護者による送迎、そして情報の共有等となっております。幸いにも当町ではこれまでクマなどによる被害者は出ておりませんが、今年に入ってからクマやサルの集団での目撃情報が多数報告される状況において、子ども達の安全確保は緊急かつ重要な課題として考えなければなりません。
そこで、当町における登下校時の児童生徒の安全確保について、学校での対応はどうなっているのかお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)それでは、佐藤力也議員のご質問にお答えします。
有害鳥獣が出没した際には、町からの防災無線やメールなどを通じて学校にも情報が入ります。学校では、出没場所が児童生徒の通学に関わる場合、出没場所や状況を確認し、文書や口頭で子ども達や保護者へ注意喚起を行うとともに、教職員が出没場所の見回りを行う場合もあります。また、状況によっては学校車により家まで送ったり、保護者に迎えを依頼するなどして子ども達の安全確保を図っております。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)続きまして、学校におけるクマやサルに対する被害を未然に防ぐための教育や指導についてどのような取組を行っているかお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)学校において、有害鳥獣対策の特別な指導は行っておりませんが、クマが人間の生活圏に出没した際は学校から子ども達へ注意喚起を行うことはもちろん、保護者に対しても通知を発出し、登下校の際は持ち物に鈴などの鳴り物をつけることや下校時は寄り道をせず速やかに帰宅することなど、子ども達の見守りや注意指導に対して協力をお願いしております。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)学校におけるクマ対策について答弁をいただきました。
これからは、要望という形になるのですけれども、教育長ももし上毛新聞を御覧になっていたら見たかもしれないのですけれども、安中市松井田小学校におきましては、今年7月18日に群馬県自然環境課野生動物係の桑原久恵さんを講師に招き、全校児童や教職員、地域住民がクマの生態を知り、クマの被害に遭わないための対策や万が一遭遇したときの対処法、身を守る方法を学んだとの記事が上毛新聞に掲載されておりました。当町でもこうした取組を取り入れて、学校と地域が一体となって子ども達を守っていく、また子ども達一人一人がクマやサル、イノシシといった自らに危険を及ぼす可能性がある野生動物から自分の命は自分で守ることへの知識と方法を学ぶ機会をつくっていただきたいと考えますが、ご検討いただけないでしょうか。もしご見解をいただければお願いいたします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)有害鳥獣対策、非常に難しい部分があると。もし出くわした場合にどう避難をするとか被害を食い止めるとか、いろいろ難しい部分あると思いますけれども、先ほどの安中の松井田小ですか、そのような講演とかいうようなのも今後は研究をしたり検討してまいりたいというふうに考えております。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)見解ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。
続きまして、2番の教員の性加害について、子どもへの性加害対策についての質問に移りたいと思います。当町における事件の報告、そして児童生徒やその保護者からの相談というところ、そういったことがあったのかお伺いしていこうと思います。背景には、近年全国の教育現場において教職員による性加害事件が相次いで報告されております。名古屋市では、教師による児童生徒の盗撮動画がSNS上で共有されるという重大な事件が発生し、栃木県でも盗撮目的と見られる機器が校内で発見されるなど、教育現場の安全性が問われております。さらに、県内においても重大な事件が発生しました。今年1月、太田市の中学校に勤務していた教員が校舎内で女子生徒に対してわいせつな行為を繰り返し、懲役2年6か月、執行猶予4年の判決を受けました。この事件では、校長が警察への通報を怠ったことも問題となり、教育委員会から戒告処分を受けております。こうした事例は、県内の教育現場においても性加害のリスクが現実のものとして存在していることを示しております。当町では、これまでそのような事例はなかったと記憶をしておりますけれども、今一部の教員の心ない行動によって、教師の尊厳が失われようとしております。それによって、子どもの安心安全な学校生活ももろくも崩れ去り、先生との信頼関係を築くということが大変難しくなっていってしまうのではないかという危惧をされる方もいらっしゃいます。
そこで、これまで中之条町内の小中学校において、過去数年間に教職員による性加害に関する報告事例はあったか事実確認をし、そしてあったならばその対処法、具体的な対応はどのようにされたかをお伺いしたいと思います。ないことを期待しております。よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)残っている記録を確認する限り、当町において教職員を原因とする性加害に関する事案や相談は発生していないと把握しております。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)ありがとうございます。まずはほっとしました。
今回この質問をする理由というのは2つございます。もちろん子どもの安心安全な学校生活を送るための環境整備というところをこれからしっかりとやっていただきたいということ、そしてそれに伴ってやはり先生が今子ども達との信頼関係を築くというところにすごくストレスを感じていらっしゃる方もいるのではないかと、そういったストレスを感じないように、そういった事例が起こらないような環境づくり、それをやっていくのが教育委員会、そして私達の使命なのかなと考えております。そういったところをしっかりと明らかにして、安心して学校に通えるような環境づくりにつながればよいかなと思いまして、この質問をこれからさせていただこうと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、これまでの対策についてお伺いをいたします。教職員による性加害を未然に防ぐためには、日常的な倫理教育や服務規律の徹底が不可欠です。また、児童生徒自身が性被害に対する知識や対応力を身につけることも重要です。
そこで伺います。町内の学校において、教職員に対する性加害防止の研修や指導はどのように実施されてきたか。また、児童生徒に対しては万が一性暴力などの被害を受けた場合、その時の対応についてどのような指導を行ってこられたのかお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)お答えします。
令和5年に施行された教職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律では、児童生徒への性暴力等に対する定義や各施策が明確化されており、児童生徒への性暴力等を犯した教職員は原則懲戒免職とすべきことが定義されております。これにもかかわらず、ここ数年全国各地で教職員が関係する許し難い性暴力などの不適切な事案が発生している状況であります。文部科学省や群馬県教育委員会からは、事案が発生するたびに教職員の服務規律の確保に関する通達が届いており、特に今年度は県内においても事案が多く発生していることから、県や郡の教育長会議においても服務規律の確保の徹底に向けた注意喚起が行われております。これを受け町教育委員会では、その都度管下の校長に対し国や県と同様に通達を行うとともに、管内の校長会議など折に触れて服務規律の確保の徹底を図るよう指示しております。このことから、各学校においては校内の服務規律委員会や校内研修において、教職員への指導徹底を図っております。また、ルールを設け、教職員の個人的なSNS等により児童生徒や保護者と交流を持たないことや個別相談などの際には一対一ではなく組織的な対応により行うこと、校舎内における教職員の個人的なスマートフォンやデジタルカメラ等の取扱いに関して疑われることがないよう指導しております。
さらに、児童生徒に対してはどのようなことでも1人で抱え込まず、校長、教頭、担任の先生、家族など、信頼できる大人に相談することや群馬県が設置しておる教職員による性暴力体罰等に関する相談窓口があることなどの周知も行っております。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)続きまして、性加害から子ども達を守る取組についてお伺いいたします。まず初めに、防犯カメラの設置、盗撮器の設置に対する点検、見回りについてご質問させていただきます。盗撮行為は、外部からの侵入者だけではなく、内部関係者によっても行われる可能性があるため、施設の安全管理が極めて重要です。特に更衣室やトイレなどプライバシーが求められる空間においては、定期的な点検と監視体制の強化が求められます。
そこで、伺います。町内の学校施設において、防犯カメラの設置状況はどのような状況でしょうか。また、盗撮機器の設置を防ぐための定期的な見回りや設備点検はどのように実施されているかお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)学校では、学校保健安全法の定めにより各学校ごとに学校安全計画が作成されており、児童生徒等の安全の確保を図るため、施設及び設備の安全点検の実施が義務づけられております。安全点検では、施設や設備の劣化や破損等による危険箇所の特定だけでなく、盗撮機器などの不審物の有無についても確認が行われております。防犯カメラにつきましては、主に外部からの侵入者に対する対策として設置されており、現時点で校舎内には設置しておりません。教室や校舎内への防犯カメラの設置につきましては、子ども同士のいじめやけんか、また教職員による不適切な指導、侵入者による犯罪などを未然に防ぐ等に対する抑止効果は期待できるものの、一方では常に監視されているような感覚を持つこともあり、子ども達や教職員に心理的な圧迫感を与えることやプライバシーの侵害が疑われることも懸念されます。防犯カメラの教室内の設置につきましては、阿部文部科学大臣も子ども達の日常の活動が全て録画されているという状況の是非を踏まえると、一般の教室への設置を広く推奨することは様々な議論があると慎重な姿勢を示しております。また、東京都の武蔵野市の私立学校では保護者の指導、指摘を受け、教室に設置していた防犯カメラを撤去したケースもあるようです。このようなことから、現時点においては安全点検を強化し、不審物の設置の有無も含め、確認してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)これまでの防犯カメラ、そして盗撮器の設置に対する点検、見回り等のこれまでの取組についてご報告をいただきました。
最後になりますけれども、今後の取組について、教育長のお考えをお示しいただきたいと思っております。子ども達が安心して学校生活を送るためには、教育現場に対する信頼の回復と性加害を未然に防ぐための継続的な取組が不可欠です。町として今後どのような方針で安全対策を強化していくのか。教育行政の責任者としての見解をお伺いいたします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)教員の採用や市町村への配置は、県教育委員会が行うものであり、必ずしも市町村が希望するような教員が採用され、配置されるものではございません。教員に限ったことではございませんが、ふだんのお付き合いの中で一人一人の性格や特性、ましてや性的嗜好まで細かく把握するのは難しく、残念ながら事が起きてから分かる場合が多いと思われます。しかし、全ての教員が教職に対する確固たる志を持って教員になっており、最初から性暴力を働くことを目的にしているものはないと信じております。不適切な行為などが行われる背景としては、業務負担が著しく大きかったり、仕事や職場の人間関係のストレスが原因となる場合もあると考えられます。このため、管理職や同僚に相談しやすい体制づくりや組織的な取組が行われるよう各学校に指示しておるところであります。また、保護者の皆様にもご理解、ご協力をいただき、多忙化解消を進めながら、管下の学校において服務規律委員会の研修を充実させるなどして、教職員による不適切な行為が行われることがないよう今後も取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)6番、佐藤さん
〇6番(佐藤力也)性加害から子どもを守るための取組について、教育長の見解をお伺いいたしました。これまでの町の取組というところはほぼしっかりとされていて、結果といいますか、そういった事件も発生していないことから、十分な対策を行ってきたのかなというところが伺えます。こういった対策、または見回り等の取組について、今後もこれからいろいろな盗撮に使われるようなカメラ機器等もいろいろ細かく小さくなってきたり多種多様化してきて、それに対応する取組も大変になってくると思いますけれども、他の学校や教育委員会と情報の共有をしっかりとしていただきながら対応していっていただければなと考えます。
また、今後子ども達と先生、学校との信頼関係を築き、今までどおり子ども達が安心して学校生活を送れるように、そして先生も精神的なストレスなく指導に当たれるような環境づくり、そういったところを教育委員会、そして議会、町、三位一体となってつくっていければいいかなと考えております。
最後にですけれども、こういった学校での取組、例えばトイレの点検、防犯カメラに対するチェック、そういったところを行った場合に保護者、家庭にしっかりとした報告ということをされたほうがいいのではないかなと思います。学校は、しっかりとそういった点検やっていますよといったところを家庭に周知し、報告し、そういうことを共有することによって信頼関係が構築されていくのではないかと考えますので、そういったところをこれから力を入れていただければなと思います。よろしくお願いいたします。
子ども達の安全な学校生活と志を持った先生の職場づくりというところ、これからの中之条町の教育というところで明るい教育環境がつくれるように祈念をいたしまして、言葉は整いませんが、私の一般質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。