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令和7年9月定例会議 一般質問(山本修議員) 

ページID:0012017 更新日:2025年11月15日更新 印刷ページ表示

03 3番 山本修議員 令和7年9月定例会議一般質問

〇3番(山本 修)3番目の質問者であります山本修です。どうぞよろしくお願いいたします。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 私の質問項目は、1、改正鳥獣保護管理法施行について、2、サル(ニホンザル)による農産物被害への対策についての2項目です。

 まず最初に、改正鳥獣保護管理法施行について質問いたします。最近、ヒグマやツキノワグマ、イノシシといった野生動物が人間の生活圏に出没する事例が全国的に増えています。中には人身被害に及ぶ深刻な事例もあることから、今や重大な社会問題になっています。我々が生活する中之条町でもその例に漏れず、クマの出没情報が町の防災無線やソーシャルメディア、LINEの有害鳥獣出没情報などを通じて、このところ頻繁に送られてきています。この4月から8月までの5か月間だけでも28回の出没情報がありました。こういう時には1日に3件もあるなど、決して少ない数ではないと思われます。いつ、自分自身が被害者になるとも限りません。

 環境省の統計によると、この数年のヒグマやツキノワグマを含むクマによる人身被害は増加傾向にあり、一昨年の2023年度は被害者数が219人で、死亡者が6人と、統計史上最多を記録したとの報告もあり、今年度はその2023年度に匹敵するほどの被害者推移を示しているという報道もあるほどです。それを受けて、自治体の判断で市街地や住宅集合地に出没したクマやイノシシに発砲できる緊急銃猟を可能とする改正鳥獣保護管理法が9月1日に施行されました。迅速な対応が期待できるということが、私をはじめ、町民の皆様の中にはどこがどのように改正され、どのような状況下だと適用されるのか、まだ理解できていないという声も耳にします。

 そこで質問いたします。自治体の判断で、市街地にいるクマやイノシシに発砲できる緊急銃猟が9月から施行されたことに伴い、従来の警察官職務執行法に基づく発砲命令と大きく違う点は何かお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)それでは、山本修議員の質問にお答えをさせていただきます。

 人里にクマ等が出没した際、住居集合地域等で猟銃を使うことは、警察官が命じた場合を除き、原則禁止とされております。今般改正法が施行されることで、令和7年9月1日からは地域住民の安全の確保の下で銃猟を可能とし、条件が満たされた場合は特例的に猟銃が使えるようになるということでございます。これにより、住居集合地域等では銃器を使用しての捕獲が禁じられておりましたが、人身被害を生じさせるおそれの高いクマ等につきましては迅速に対応することが可能となってございます。幾つかの条件等もございますけれども、例えば人の日常生活圏にクマが出没した場合は、地域住民の安全の確保の下で銃猟をするとか、市街地半径200メートル以内に人家が10軒以上ある場合は銃猟を禁止するとかいろいろな条件があるようでございますけれども、いずれにいたしましても9月1日からはそういった改正施行がなされたということでございますので、よろしくお願いします。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)今回の改正法もまだ施行されて間もないということもありまして、町長の答弁も慎重にならざるを得ないようなところがうかがえております。そうしますと、これまでは警察官職務法で警察官が命じた場合を除き、猟銃を使用することは原則禁止されていましたが、本改正法が施行されたことで、地域住民の安全性確保の下で銃猟を可能とし、条件が満たされた場合は特例的に猟銃が使えるようになるとの答弁でした。それも人身被害のおそれの高いクマ等については、迅速に対応することが可能になるということですが、そこで質問いたします。

 どのような条件を満たせば、緊急銃猟で猟銃使用が可能になるのか、その際猟銃使用の判断及び発砲許可をハンターに出せる権限を持つ人は誰なのかお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)緊急銃猟の条件は次の4項目になっております。1つとして、生活圏にクマなどが侵入、または侵入のおそれが大きいこと、緊急性が認められること、猟銃以外の方法による捕獲が難しいこと、人に弾丸が到達するおそれがないなど、安全性が確保されていること、この4条件が満たされた場合、特例的に猟銃が使えることとなります。緊急銃猟につきましては、町の判断と責任ということでございますので、権限を持つ者は町長ということになります。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)町長の答弁にもありましたが、この4条件を満たせば、特例的に猟銃が使用でき、さらに迅速な判断の下でクマの捕獲が可能になる、その緊急銃猟の実質判断の権限を持つのは町長ということで確認させていただきました。

 本改正では、地域住民の安全確保を優先としつつも迅速な対応が期待されるだけに、その実質判断を委ねられた自治体職員や市町村長にとって、相当な重圧と負担になり得るという思いがいたします。その責任の重さが、増やすことによって懸念する声も上がっているという中で、自治体による対応の体制や実際の業務に影響を及ぼすことが見込まれることになりますが、そこで質問させていただきます。

 これまで現場での迅速な対応が大きな課題でしたが、迅速な対応が期待されることから、緊急銃猟の適用の判断から、ハンターによる発砲に至るまでの手順や流れの説明を。また、適応される場合の具体的なケースとはどのような時なのかお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)それでは、お答えをさせていただきます。

 クマ等が出没した場合におきましては、情報収集を行いながら、地域に精通した実施隊の意見を仰ぎながら、最終的な実施判断は町長が行うことになります。まず、地域住民の安全確保のため、通行規制や住民避難により安全策を十分に講じます。そして、クマ等を実施隊員が狙撃することになりますが、発砲のタイミング等は実施隊の知見に委ねることになります。標的を外した時や弾丸が貫通した時など、弾丸が飛散したりしないように周辺状況を判断しながら行う必要がございます。

 なお、必ず緊急銃猟で対応しなければならないわけではなく、追い払い等を含む複数の手段の中から適切な手段を選択するということでありますので、適応されない場合の具体的なケースの言及は避けさせていただきますが、緊急銃猟の条件の4つに該当しない場合は実施をいたしません。

 以上です。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)町長の答弁の中に、緊急銃猟の4条件に該当するということも大前提ですが、発砲しないケースもあるということで、その判断というのが非常に町長及び自治体の判断ということで大きくなることになるのではないかというふうに考えもしますが、さきの答弁で、まず地域住民の安全確保のため、通行規制や住民避難による安全策を十分に講じますとし、そこで発砲のタイミングは実施隊の見地に委ねるという答弁でしたが、そこで質問させていただきます。

 状況によっては通行規制や避難指示が必要になることから、自治体、警察、猟友会などの合同訓練による連携と対処可能なマニュアル作成等の体制の整備がどうなっているのかお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)議員おっしゃるとおり、クマが人家や施設に接近、または侵入した場合、安全な場所に避難していただくことも想定をされます。通行規制が必要なケースもあり得るので、警察署に連絡を取り、安全の確保を行います。同時に、猟友会組織の長と連絡を取り、なるべく複数名の撃ち手に出動していただき、発砲による駆除を行います。合同訓練につきましては、必要性を検討してから実施したいと考えております。

 中之条町緊急銃猟の対応マニュアルは精査し、整備したところでございます。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)ありがとうございます。猟友会関係者によると、もしクマが出没している状況下で、住民の避難がスムーズにできるのだろうかというような疑問の声も上がる中で、通行規制や誘導などを必要とする状況も現実的にあるということから、警察と連携して住民への周知を十分に図っていただいて、ハンターへの負担を軽減しながら、安全を確保した上で実施を行ってほしいと考えますが、そこで質問いたします。

 緊急を要する状況下で、これまでは禁止されていた夜間の市街地での猟銃の使用が緊急銃猟では可能になるのでしょうか。そうなると、ハンターにも一定の技術と経験が必要になると思いますが、安全性の担保は十分に考慮されているのかお聞きいたします。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)夜間の緊急銃猟は可能になります。令和7年7月の環境省の緊急銃猟ガイドラインにて、緊急銃猟を行う捕獲者の要件が定められており、これに合致していなければなりません。議員のおっしゃる技術と経験につきましては、「1年間に2回以上の銃猟又は射撃の練習をしていること」、「過去3年以内に、緊急銃猟の実施のために使用しようとする銃器と同種の銃器を使用して、クマ、イノシシ又はニホンジカの捕獲を行った経験を有する者」とされております。一定の基準が設けられております。

 また、夜間の緊急銃猟の撃ち手には、追加要件があり、夜間銃猟安全管理講習を受け、さらに高い狙撃技術が必要となります。以上となります。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)ありがとうございます。やはりかなり立て籠もり等、あるいは クマによっては状況下が変わってきますし、どうしても膠着すると夜になり得る可能性もありますから、人命重視だと、やっぱり夜の発砲も考えざるを得ないというふうに考えるのですが、夜間の場合は暗くて見通しが利かないということから、人命が脅かされる可能性が大きくなると思います。状況下によっては、建物などの破損や人身事故に発展しやすいため、慎重な対応が求められますが、そこで質問いたします。

 発砲の際に、建物への破損が生じた時や流れ弾で人身事故が発生した場合等の補償や賠償問題はどうなるのかお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)緊急銃猟により物損や万が一の人身事故が生じた場合には、実施者たる市町村が損失を補償、賠償することとなります。緊急銃猟は、市町村長が実施者であり、市町村長の委託を受けて、緊急銃猟を実行する者が損失の補償を行うことは適当ではないためであります。発砲により、獣が暴れたことで生じた物損等も含まれます。

 人身事故が生じた場合は、国家賠償法に基づく国家賠償請求を市町村が受けることが想定されます。国家賠償法とは、公務員や公の営造物の設置や管理に瑕疵があったために、他人に損害が生じた時は、国、または公共団体が賠償する責任を定めるもので、町が賠償責任を負うこととなります。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)賠償補償や賠償責任の問題が明確に示されるということがたぶんこれから非常に問題になり、重要な問題かと思いますし、ハンターへの負担もそういう意味ではかなり重いものになってくるということで、総合的に町長が判断するということも町長に対しても非常に重い責任と負担になってくるのではないかというふうに、私ですら考えますので、クマを駆除するということを願って、今までよりも迅速にというふうに考えてはいるのですが、そうそう簡単にそれができるものなのかということを今後検討する意味があるのではないかというふうに思いますが、賠償問題が明確に示された上で、事前の安全確保を十分に行い、猟銃の発砲を委託されたハンターにとって、緊急銃猟の実施の事実上困難になる、あるいは足かせにならないように、国や自治体の責任において、安心安全に従事できる体制づくりを整えていただきたいと思います。さらに、万が一の事故に備えた補償制度、あるいは整備も事前に十分に検討されるべき課題だと考えます。慎重に対応していただきたいということをお願いを込めまして、これの改正法の今後の運用をお願いしたいと思います。しかし、それにより何よりもこの中之条町で緊急銃猟が発令されることがないように切に願いまして、次の質問に移らせていただきます。

 2番目の質問項目は、サル(ニホンザル)による農作物の被害への対策についてです。これまでも一般質問で同僚議員が有害鳥獣対策に関する質問を何度となくされてきました。町も中之条町鳥獣被害計画を策定し、被害防止対策や被害軽減目標などを示し、中之条町猟友会や鳥獣被害対策実施隊との連携を取りながら、農業従事者に対して有害鳥獣対策のバックアップを行ってきていると十分承知しております。しかし、今回私が住む六合地区では、クマ、イノシシ、シカといった有害鳥獣の被害だけでなく、例年に増してサルによる農作物への被害拡大が住民を非常に悩ませております。それらの住民の意見を、あるいはその相談を受けながら、ここでその窮状を知っていただくために一般質問をさせていただきました。とにかく今年は地域のどこに行っても会う人会う人、大なり小なり、サルの農作物被害を訴えます。電気柵をやっても駄目、サルのネットを使っても駄目、何をしても食い荒らされてしまう、ロケット花火をやっても一時的だけ、ずっと監視しているわけにはいかず、何かいい方法はないだろうか、町で何とかしてくれないかといった切実な状況を訴えてきます。

 そこで質問させていただきます。今年に入り、町にはどのようなサルによる被害情報が入っているのか。また、その被害状況や詳細認識はどこまでされているのかお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)先ほどの山本議員の前段のクマの被害、あるいは六合地区のみならず、中之条地区においてもシカの問題、加えてこのサルがやはり知恵がある、学習能力がある、こういった動物でありますので、これも非常に悩ましい問題であると考えております。そして、イノシシの場合は豚熱、そういうことにも関連しますので、本当に獣の被害というものが今年の場合は特に感じるような、そんな年であります。

 議員お尋ねの被害状況ということでございますけれども、有害鳥獣を追い払うために花火、爆竹、轟音玉等、農林課の窓口においてお渡ししておりますが、その都度被害の情報の聞き取りを行っております。管内の網羅的な被害状況は、年度末に被害調査を実施し集計しますので、令和7年度における現時点での詳しい被害金額などは集計してございません。

 サルにつきましては、集団性や学習能力の高さに加え、半径200メートル以内に人家が10軒あれば発砲できないという銃の法的制限もあり、捕獲が難しい中、年平均100頭近く捕獲していただいておりますが、非常に手強い相手であるということは認識をいたしております。

 六合地区における被害の中には、ハウス栽培のスイカとメロンの食害がありました。実施隊員により、わな設置中に農業用ネットを切られて侵入されたという事案もあったようでございます。

 また、トウモロコシ、トマト、カボチャ、落花生、インゲンの食害も発生しております。こちらは、町で販売しているサル用ネットで囲い込むように防除いたしましたが、2か所をかみ切られました。その小さい穴から小サルにトウモロコシを取ってこさせたようでありまして、およそ100本の被害があったようでございます。

 以上です。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)町長の答弁の中にありましたが、今サルというふうに簡単に言いますが、非常に知恵をつけておりまして、今までに考えられないような侵入の仕方というのをかなり目にしているのですが、サルの被害に遭った、その2件の農業者の方にも、私は直接お会いして、被害状況を詳しくお伺いしてきたのですが、両方の方も農作物はほぼ全滅だったというふうな話をされていました。猟友会に所属している私自身も非常にサルの被害を相談されますので、被害状況を詳しく把握するために、六合地区全域を対象にサルの被害に遭った農業者や専業農家に聞き取りを行ってきています。被害が多種多様の農作物にも及んでいるため、例えば1つずつ例を挙げて、今町長が挙げていただきましたけれども、それ以上にもうこんな物までかじるのか食べるのかというところで、例を挙げますと切りがありませんが、一例を挙げますと、ブルーベリー畑に毎日来て、枝を折られた上に全滅させられたという農業者がいれば、出荷前のトマトハウスに集団で来て破って、出荷できないような状況になって断念したという話もありますし、さらにトウモロコシは既に1,000本以上食べられていて、このままだと2,000本を超えて、3,000本に迫る被害になるというふうに話す専業農家さんもいました。専業農家なので、サルに対する対策はかなり十分に行っていたのですが、とにかく30から50の群れが押しかけてきて、とても太刀打ちできないような状況になっていまして、そのため収益がかなり減収になってしまうということで頭を悩まし、嘆いておられました。

 そこでお聞きいたします。過去5年間のサルの捕獲数の推移と捕獲状況は。また、サルによる農作物の被害金額と鳥獣被害全体に占めるサルの被害の割合、パーセントをお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)サルの捕獲頭数は、令和2年度167頭、令和3年度54頭、令和4年度77頭、令和5年度104頭、令和6年度91頭となっております。

 サルによる農作物の被害金額は、令和6年度では約368万円、鳥獣被害全体の39.6%を占めておりますので、サルの被害が決して小さくはないと考えております。

 なお、参考に令和2年度から令和6年度までの5年間の平均をお示しいたしますと、約331万円でございまして、鳥獣被害全体の32.6%を占めております。

 以上です。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)町長によりますと、5年間の捕獲頭数が大体平均で100頭というふうにお答えになっていただきましたけれども、やっぱりサルは非常に賢いというか、捕獲したくても捕獲を考えている人間にとって思うようにいかないというのが現実ではあります。サルの捕獲数は100頭ですが、そのわなやくくりわなというのが自治体によってはかなり効果的でもあるのですけれども、それを駆使して何とか捕っていただくということで、この頭数を確保できているのかなというふうに考えます。

 サルの農作物の被害金額には、令和6年度は鳥獣被害全体の39.6%で、およそ4割を占めて、決して小さくないというふうにお答えになられています。ちなみに、令和5年度は54.7%と、5割を超えていましたので、若干少なくはなっているのですが、それでも40%台に近いということはかなりの被害が続いているのではないかというふうに思います。

 そこでお聞きいたします。主の農産物の被害内容と被害状況及び内容から見えてくる地域の特性をお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)令和6年度の被害状況を申し上げますと、被害面積は49アール、被害金額は368万円でございます。被害状況といたしましては、食害や踏み荒らしによる被害内容でございます。桃やリンゴの被害額が大きいようですが、その他野菜であれば、カボチャ、キュウリ、大根、トウモロコシ、トマトの他、稲、豆類、芋類にも被害があり、被害は広範囲となっております。被害額は令和5年度に急増し654万円、令和6年度には半減し368万円となりました。被害発生地域は、六合地区をはじめ、沢田、伊参地区でございます。

 以上です。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)サルによる農作物の被害金額は、令和6年度は367万7,000円で、農産物の被害の種類は広範囲に及んでいるというお答えですが、やはりどんどん、今まで食べていたものとは違うもの、あるいは被害の状況が変化してきているというのは非常に地域を回っていまして、その農業者の声で、去年まではそうではなかったと、あるいはそんなにひどくは、なんて言うか激しいというか、状況的にもう凶暴的な形で押し寄せてくるみたいな、そういったお話もありまして、被害場所も六合地区をはじめ、沢田、伊参地区等で桃やリンゴの被害がかなり大きいと答弁されていましたので、そちらのほうにもお話を伺いたいなとは思っておりますが、私が六合地区内を調査して回った印象では、今おっしゃったように、手口というか、侵入の仕方が非常に巧妙で、今までの対策ではちょっと考えられないような侵入の仕方というので、特に一度の出没の仕方で狙った獲物をもう完膚なきまでに食い荒らしてしまう。ほぼほぼ一口も食えないという農家の方もいらっしゃったりするので、群れと個体の数が非常に多いというか、増えているのではないかというふうに感じました。電気柵はもちろん、サル用のネット、トタン板など、侵入する経路なり、全て断っていても、例えば町長のお答えの中で、ネットを歯でかんで破って、穴を空け、そこに小サルを入れて、みんな持ち出してくるとか、私が見た、トタンで囲っていた部分を力で開けて、そこから侵入するとか電気柵も電気の流れを覚えていて、電気の、聞いたお話ですけれども、ピッピッという流れの瞬間を狙うとか、もう大きな体格のサルは少しぐらいピピッ時ても全然平気で、強引に入ってしまうとかという形で、ちょっとサル知恵というものの働かせ方と凶暴化というのが非常に脅威になっているような現状を私は確認して、これはこのままでいったら、せっかくお金をかけて、サルが入らないようにしても全く効果がないというか、そういった現状をちょっと目にしましたものですから、こうなったらもう実施隊に捕獲補助、あるいは駆除していただかないと、もうやっていけないということを言われましたので、そこでご質問ございます。

 現在活動中の中之条町鳥獣被害実施隊の総隊員数と平均年齢は。そのうち六合地区の隊員数と平均年齢を教えてください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)山本議員おっしゃるように、実施隊のみなさんには本当に頭の下がる思いでありまして、山の中を、そして川の中を、我々の被害を未然に防ぐために、そして献身的に努力されていることに対しまして、この場をお借りして、本当に心から感謝を申し上げる次第でございます。

 そういった中で、現在活動中の実施隊のみなさんの隊員数ということでございますけれども、令和7年8月20日現在、町の鳥獣被害実施隊員は84名であります。平均年齢は68歳となっております。

 六合地区におきましては、23名、平均年齢が70.2歳でございます。今ご指摘のように、年々隊員数の確保は難しいでしょうし、高齢化が進んでくるということもありますので、もう実施隊のみなさんにもうお頼みしなければならないのですけれども、町としてもいろいろな支援はこれからも続けていきたいと、このように考えております。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)ありがとうございます。実施隊に向けて、町長のありがたいお言葉をいただきまして、実施隊もたぶん心強く、今後の活動に生かせられるというふうに思います。ただ、実施隊も通常の仕事を抱えている中で実施活動をされ、行動範囲が限られておりますので、非常に何とか農業者の役に立ちたいというふうな旨で、みなさん一生懸命やっているのですが、今おっしゃられたように、高齢化も一つありまして、私が知っている範囲では、5年以上前だとかなり積極的に活動されていたのがもう体が利かないとかちょっと無理ができないということも言われていて、どうしてもやっぱり限界がそろそろあるというか、限られた範囲でしか対応できないということのジレンマが非常にあるというのを感じます。このまんまではサルの影響で地域のコミュニティーというか、地域全体が疲弊してくるというか、かなり農業者も維持管理とか自分達が作ったものが全てサルに奪われているということで、サルのために作っているというような感覚もあって、やめてしまおうかというふうな考え方になったりとか、やめてしまうと、そこが草だらけになって、また隠れる場所になってしまうということもありまして、地域の荒廃や環境の悪化を懸念して、町に住みづらいというような形になれば、またそれはそれで地域の問題になるのではないかというふうに思いますし、もうサルは町に住みついているような状況も一部ありまして、なかなか山には帰ってくれないということで、商店、中に入って商品を盗むとか、あと挙げ句の果てに家の中に入ってくるような状況までにいったら、市民の生活が脅かされるのではないかというふうに怖がっている人もいますので、そこで質問させていただきます。

 実施隊とともに、町が重点的に実施している被害対策の内容と現状を加味した今後の展開及び課題とは何かお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)実施隊の方には、わなや銃によるサルの捕獲にご協力をいただいております。特に、六合地区には猟友会が新たに購入したものを含め、合計7基のサル檻が設置されております。見回りを兼ねた駆除をお願いしております。

 今後の展開といたしましては、県の鳥獣被害対策センターの協力の下、体格のよい雌猿にGPS発信機をつけ、位置情報を収集することを始めようとしてございます。雄は成長すると群れを離れることがありますが、雌は生まれた群れにとどまることが多いようですので、群れの動向を把握することができるようになります。そして、群れの位置情報を共有することで、最適な場所にわなを仕掛け、効率のよい捕獲や追い払いが期待できます。

 また、今年度から新しく捕獲報告システムの稼働を予定しております。実施隊員がスマートフォンを使って、有害鳥獣の捕獲を報告することや位置情報を収集することが可能となります。そして、一般の住民の方も目撃情報を登録することができますので、捕獲に役立てられるものと考えております。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)町長の答弁を伺っていまして、町としてもやはりいろいろ対策を考えていただいているということは十分承知できましたし、体格のいい雌にGPSの発信機をつけたり、新しく捕獲報告システムの稼働を予定しているということをお聞きしましたので、サルの対策には積極的に動いていただいているのだなというふうに認識させていただきました。大変ありがとうございます。

 それぞれその捕獲実績に結びついていただけるようになれば非常にうれしいのですが、課題もまだたくさん残っているとは思います。いずれにしても、実施隊の協力なくしては実現可能とはいきませんので、今後とも実施隊の協力が必要ではないかなというふうに考えております。

 そこで、今六合地区ではこの窮状を何とかしようと考えて、みんなで抜本的な解決策を思案しながら、農業従事者や地域の有志を募り、猟友会や実施隊とともにサルの被害対策の捕獲駆除チームを編成して、地域全体で取り組んでいこうということで、今から思案をめぐらせている状況です。ですので、個人の部分ではもうかなり限界が来ているというふうに感じましたので、地域全体で、あるいは地区で見守りながら、猟友会なり実施隊だけに頼るのではなくて、みんなで駆除、捕獲ということを考える組織というまではいかないのですが、そういった流れをつくっていこうというふうにちょっと考えて、猟友会に相談したりとか、地域の方にも了承を得て、私が回っている中で、あっ、いいよ、協力するよと言う方が結構いらっしゃったので、かなり切実な問題でもありますので、そういった動きがあります。

 そこで質問させていただきます。今後の被害対策は、農業者個人の努力や駆除隊の力に頼るだけではなく、地域による共助、行政による公助がそれぞれ一丸となって、新たな抜本的対策案を模索し、試験的に実施を試みることで、サル等の捕獲頭数の増加や被害の減少につながると考えますが、それらの支援策を含めて、町の考え方をお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)山本議員おっしゃるように、住民や農家による自助、行政区や集落等の地域による共助、行政による公助による相乗効果によって、有害鳥獣被害は減少につながるものと考えております。有害鳥獣に対して、新しい取組は内容をしっかり吟味をし、支援できるものは引き続きバックアップをしていきたいと考えております。いずれにいたしましても、本当に近年クマの被害、サルの被害等々、イノシシの被害がありますけれども、特に今年はご挨拶で申し上げましたけれども、クマが全国的に非常に問題になってきている。あわせて、嬬恋、長野原方面、六合地区はシカが、食害を含めて、大変な増殖をして増えているということでございますので、やはり本当にいろんな連携を取りながら情報収集をしながら、みんなでやっぱり力を合わせて何とかそういうものに対しての対応策を考えていかなければならないでしょうし、実施隊のみなさん方とは本当にこれからも協力をさせていただきながら、町として支援をできることについてはしっかり情報共有しながら進めていきたいと、このように考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

〇議長(安原賢一)3番、山本さん

〇3番(山本 修)ありがとうございます。町長の言葉を受けまして、今後地域単位で来年度からできるような動きをしていきたいという形で、みなさんの意見を聞いて、形を整えて、今進めているような段階ですし、やっぱり1人とか駆除隊だけ、地域の人だけというのはもうある程度限界が来ているのかなというふうに感じます。それで、地域をまとめて、それができるような体制を2年3年スパンで考えていきながら、何とか協力を得たいなと思っています。

 それで、私が地域を回っている中で、丹精込めてやっと食べられるような時になって、サルに全部食べられてしまうと、子どもや孫に野菜を送ってやるために育ててきたのに、今年はもう送ることができなかったというふうにがっくりと肩を落とすお年寄りの姿がいつも心に残ります。

 そこで、外丸町長にはサルに対する駆除費の増額や捕獲や駆除などの被害対策に関する新たな取組へのバックアップを強く要望いたしまして、私の一般質問を終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。


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