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令和7年9月定例会議 一般質問(原沢香司議員) 

ページID:0012016 更新日:2025年11月15日更新 印刷ページ表示

02 1番 原沢香司議員 令和7年9月定例会議一般質問

○1番(原沢香司)それでは、事前の通告に基づきまして、町の所有する施設の運営、そしてふるさと納税の2点について質問をいたします。

 この9月定例会は決算の議会ですので、昨年度の予算執行については、常任委員会や本会議で詳しく質疑をさせていただきます。今日の一般質問にあたっての私の基本的な姿勢は以下です。1つ目は、町の財政が今後さらに困難な状況を迎えることが予測される中、町の所有する施設を今後どのように運営をしていくかを伺うものです。一言で町の施設といってもその施設ごとに存在する理由は様々です。教育や福祉など、町民生活を支えるために絶対に必要な施設もあれば、観光のように町を訪れる町外からのお客さんを相手にする施設もあります。施設の目的が違えば、その運営が目指す方針もおのずと異なってきます。今日は、道の駅と日帰り温泉施設について詳しくその内情を伺い、今後取るべき運営の方向性を一緒に見いだしていければと思っております。2つ目のふるさと納税については、導入される際にうたわれた政策目標と今日の実情に乖離があるのではないかという問題意識から質問をするものです。

 では、最初の町有施設の運営についての質問に入ります。面積が広く、産業構造も複雑であることが中之条町の特徴であり、それゆえに行政課題も幅広く、多方面に及びます。広大な森林の管理からとても長い町道の管理、農業、林業の振興など、土地の持っている個性からその政策は簡単に行えるものではないと思っています。

 一方で、住民の人数や年齢構造も刻々と変化し、求められる行政の役割もそれに応じて変わってきています。少子化、高齢化が変化の特徴の最たるものですが、過疎化、人口の流動化など、土地と住民の関係性が刻々と変わってきています。変化の激しい状況の中で、求められる多くの課題の中から何を優先し、課題の解決にあたっていくのか、行政には本当に厳しいかじ取りが求められていると感じています。はっきりしているのは、自治体の財政状況が急に好転するような前向きな変化は恐らく望むべくもなく、自治体経営には分かりやすく、簡単な処方箋はないということです。先行きが不透明な中、今現在ある手持ちの財産を点検し、運用の改善を考えていくことは家計であれ、自治体財政であれ、常に必要なことであると思います。町の財産は数多くありますが、大事なのは、まず町民の存在であり、次に町民が利用する施設ではないかと考えます。

 ここで伺います。現在町が有している施設の総数は幾つですか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)それでは、原沢議員のご質問にお答えをさせていただきます。

 地方自治法の規定に基づき、住民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供する施設が公の施設と言われるものであります。この公の施設の設置等に関することは条例で定めなければならないとされております。したがいまして、同じ設置目的である公の施設は、一般的には一つの条例で規定されることになりますので、施設の数については、その捉え方によりまして数も変わってまいります。

 町が有している施設の総数ですが、例えば町の個別施設計画に基づく対象施設では120ほどの施設数を対象としておりますが、先ほども申し上げましたが、複合施設を個々にカウントしたり、水道関係施設などの公営企業の施設を個別にカウントした場合などは施設数もさらに増えてまいります。さらに、公の施設ではございませんが、普通財産として地域の集会所となっており、あるいは民間に貸し出していたり、他の用途で住民の方に利用されているなども多数ございます。広義的に施設を捉えさせていただきますと、中之条町ではそれだけ多くの施設を有しており、また管理を行っているということでご理解をいただきたいと思います。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)具体的な数を上げていただきました。私は、多くても100くらいかと推算しておりましたが、はるかにそれを上回る数でございました。この管理は、人的にも予算的にも本当に大変だと思います。町の施設には、その施設ごとにいろんな目的を持ったものがあります。分かりやすいのはグラウンドや体育館などのスポーツ施設や教育を目的とする学校などだと思います。その他に、福祉、医療のための施設や文化施設などもあろうかと思います。単純に分類するのが難しい施設もあることは答弁からも確認いたしましたが、次に伺います。

 町の施設のうち、医療、福祉、教育など、直接町民の生活に資する施設の数は幾つありますか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)それでは、お答えをさせていただきます。

 先ほどの答弁と重複してしまいますが、施設の捉え方によって変わってまいりますが、例えば個別施設計画に基づき、施設の分類をさせていただきますと、庁舎や消防施設など、行政経営施設23件、保育所や幼稚園などの子育て支援施設5件、保健センターなどの保健福祉施設2件、診療所など、医療施設3件、木材活用センターなどの産業系施設4件、公園施設13件、小中学校などの学校教育系施設4件、給食センターなどのその他教育施設5件、文化施設や公民館などの町民文化系施設9件、博物館などの社会教育系施設2件、グラウンドや体育館などのスポーツ施設24件、観光施設等26件となります。

 直接町民の生活に資する施設の捉え方も非常に難しく、例えば町営住宅や共同霊園などは、一般的には特定の利用者に限定はされますが、公の施設であります。そういった施設も分類していきますと、先ほど申し上げた施設数もさらに増えてまいります。繰り返しになりますが、それだけ多くの施設を有し、管理を行っており、基本的には全ての施設が町民生活に資する形でご利用されております。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)詳細な各施設の数字をお答えいただきました。答弁にありますとおり、町民生活を充実させるためには欠かせない施設の分類が難しいということも理解をいたしました。もちろん、それ以外の施設が役に立たないものだと考えるものでは毛頭ありません。それぞれ施設ごとに設置された目的があり、必要であるからこそ今日も運営されていると考えるからです。しかしながら、施設の目的を仕分をして考えることはやはり必要なことだと思っています。町民の生活のための施設と町外から来る人のための施設では、その施設の持つ役割がはっきりと異なるからです。

 次に伺います。先ほどの質問答弁に入らないその他の施設のうち、道の駅の運営の現状はどうなっていますか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)道の駅の運営のお尋ねでございますけれども、町内の道の駅につきましては、六合地区の道の駅六合、それから五反田地内の道の駅霊山たけやまがございます。既に、六合地区の道の駅につきましては、民間の知識等を活用した指定管理制度を導入しておりますが、霊山たけやまにつきましては、町の直営により運営しております。

 道の駅六合の運営状況につきましては、指定管理制度を導入しており、指定管理料は支出しておりませんで、指定管理者の独立採算制となってございます。霊山たけやまの運営状況につきましては、平成30年度より赤字運営が続いており、直近の令和6年度におきましては、約2,100万円の赤字でございます。

 以上でございます。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)町内2つの道の駅のうち、道の駅六合は指定管理で運営されており、たけやまのほうは町が直営で運営しており、赤字であるという答弁でございました。先ほど挙げていただいた運動施設などで利用料を徴収している施設も間違いなく、採算ということで言えば、赤字だと思います。分かりやすく物品販売をしている道の駅の運営状況を質問したのは、赤字だから駄目だと単純に言いたいがためではありません。六合村時代に設置された道の駅六合も約30年前に設置された道の駅霊山たけやまも当時の地方自治体として必要であると判断をしたからこそ設置されたものだと理解をしております。しかしながら、設置された当初から社会情勢も変わってきています。あるいは、当初の設置目的を既に達成したと見ることもできるかもしれません。

 ここで伺います。道の駅単体で経済的収益を生み出すのは難しいと考えますが、町長の見解はいかがですか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)それでは、近年の道の駅は単なる休憩施設を超えて、ドッグラン、あるいは温泉施設、特産品の販売やグルメスポットなどがあり、地域の魅力を発信しているものと感じております。テレビでは、道の駅を特集する番組が放映され、来場者がおいしそうに特産物を食べている映像が流れれば、より一層集客が進み、経済的収益が期待できることではありましょう。霊山たけやまは、地元産のそば粉100%を利用した手打ちそばが自慢でありますが、利用者数や販売売上げの減少は続いております。

 このたび、9月議会におきまして、中之条町ふるさと公園たけやま施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について上程させていただいておりますが、収益を上げ、地域の活性化を図るには民間の力を活用した指定管理制度による運営方法も検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)答弁いただきましたとおり、道の駅、本当に今各市町村それぞれ本当に工夫、努力をして、まさに自治体、地域の顔というべき存在になってきていると考えています。今回議案も上程されましたけれども、道の駅霊山たけやまを指定管理にして、民間の活力を反映させていきたいという答弁でございました。民間の力も借りて、地域の拠点を守り、発展させていく、そのことには私も賛成です。しかし、現状町が運営している中で2,000万円以上の赤字を計上している。その施設をそのままの形で運営してくださいというふうに指定管理者を募集してもそう簡単には手が上がらないと思います。民間事業者は、経済的収益を得られる見込みがない事業には決して手を出しません。単純に経済的収益を上げることだけを目標に、道の駅の運営をするということでは現状とても厳しいと言わざるを得ません。道の駅ならではの役割、道の駅だからこそ果たせる役割があり、物品販売や食堂だけではなく、複合的な役割を担っていく必要があり、そのために指定管理の要件を整えていく準備が必要ではないでしょうか。

 次に伺います。道の駅の今後を考えると、住民の交流拠点・防災拠点・観光と地域の人の接点をつくる場所としての機能が必要と考えますが、町長の見解はいかがですか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)道の駅の目的も当初と比べましていろいろ様々に変わってきているのかと、そんなふうにも思いますし、恐らく道の駅霊山たけやまができた頃は、全国的にその道の駅のブームであったのではないかと、こんなふうに思っております。道の駅の目的としては、道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供と地域の振興に寄与することであります。そして、24時間無料で利用できる駐車場とトイレを備えた休憩機能、道路情報や地域の観光情報等を提供する情報発信機能、特産物の販売や飲食店等を設け、活力ある地域をつくる地域の連携機能の3つの機能を持ち、地域と共につくる個性的なにぎわいの場をつくることが可能となります。

 現在霊山たけやまにおきましては、住民の交流拠点として、地域活動の場として活用していただいております。そして、ゴールデンウイーク以外にもにぎわうような取組をしており、キッチンカーが出店するようなイベントも徐々にではありますけれども、定着してきております。

 道の駅六合では、宿でランチ営業や店先でピザの焼きたて販売等、各店舗で試行錯誤しながらにぎわいの創出を図っております。また、災害時には防災機能を発揮するに当たり、防災備品を完備している道の駅もあり、道の駅六合につきましては、町の防災計画の中で、指定避難所として指定されております。

 単なる休憩場所にとどまることなく、住民にとって有用な役割を発揮できるような道の駅を目指し、今後もしっかりと対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)答弁いただきましたとおり、道の駅が単なる休憩の場所ではなく、多面的な機能を有している。それは、住民のための機能であり、来訪される方のための機能でもあるということは認識を一緒にできていると感じます。地元の方たちがにぎわい創出のために、キッチンカーを集めてのイベントを行っている。私も足を運びましたけれども、本当にたくさんの方たちがにぎやかに道の駅を利用している様子を見て、大変うれしく思いましたし、また防災拠点として、道の駅六合同様に、道の駅霊山たけやまも避難場所を指定したほうがよいように思いますので、この点は今後重点的に検討していただくよう要望いたします。

 道の駅に強く求められるのがその土地ならではの商品や体験ができることです。新鮮な農作物に人気があるのも、その土地で作られたものであり、他の場所では購入ができないものである場合が多いと思います。中之条町にはたくさんの種類のおいしい農作物があります。道の駅で農作物や地場産品をしっかり購入できる体制をつくること、これはもちろん欠かすことができません。加えて、中之条町にある道の駅でなければできない体験を提供できる道の駅にしていくことがこれからの運営にとって欠かせないと考えます。中之条町では、伊参スタジオ映画祭や中之条ビエンナーレなど、近隣の他の市町村にない誇るべき文化体験ができる風土がつくられています。これらをイベントと捉えればいっ時のものですが、映画祭のある町、ビエンナーレのある町として、いつ来訪してもその雰囲気を味わうことができる町にしていく、そのことが中之条町のブランディングに寄与することだと考えます。

 ここで伺います。中之条ビエンナーレの今後の展開を考えると、イサマムラ、ふるさと交流センターつむじも併せて、道の駅霊山たけやまの総合的な施設運営の戦略が必要と考えますが、町長の見解はいかがでしょうか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)総合的な施設運営についてでございますけれども、現在はそれぞれの条例で定めており、目的に沿った運営を継続して実施してまいりたいと考えております。施設の老朽化や時代背景に沿った柔軟な対応は必要であると思いますが、当面は公共施設マネジメント計画による施設運営を重視しつつ、中長期的な展望も視野に入れ、健全な施設運営に努めてまいります。

 公約の一つに、財政の健全化を進めることとしておりますが、公共施設の維持につきましては、今後大きな財政負担が予測をされます。

 いただきましたご質問につきましても伊参スタジオ映画祭や中之条ビエンナーレの今後の展開も視野に入れ、ご意見等を伺いながら、未来世代への責任として、引き続き各事業の点検を行いながら適切な施設運営に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)答弁いただきましたとおり、事業と施設の運営は一体、不可分であると思います。未来への責任として、事業の点検をしていくという答弁でございましたので、中長期的視野に立って、この町の未来に残すべきものは何か。私は、中之条町が現在に至るまで育んできている独自の文化、風土が本当に大切だと考えますが、さらにこういった文化的風土が未来に向けて育んでいけるよう、道の駅やその他の施設の運営にあたっていただくことを重ねてお願いをいたします。

 次に、花と湯の町を標榜する中之条町にとって大変重要な施設であります、日帰り温泉入浴施設四万清流の湯について質問をいたします。昨年度長期休館したことに続いて、現在に至るまで施設の断続的な休館が続いています。町民が利用するだけでなく、四万温泉のお湯を楽しみにして、遠方から来られるお客様も多くいらっしゃいます。目的としてきた観光施設が臨時休業であった、観光客として旅する際に最も悲しく、やるせないことです。また、働く人のことを考えても、正社員であれば月給制ですから、休館があっても賃金に変動はありません。しかし、労働時間単位で雇用契約されているパート職員の場合は、保障はあっても手取りの賃金が休館によって減ってしまうことになります。実際に働こうかと思ったが、休館が多いために、四万清流の湯で働くのは難しいと、運営委託先である四万温泉協会に町民の方からお話があったとのことです。

 まず、伺います。四万清流の湯の休館が断続していますが、原因は何ですか。答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)大変ご不便をおかけしておることに対しましては、心からおわびを申し上げたいと思いますけれども、昨年度における休館につきましては、男子浴場の改修工事及び定期検査に付随する配管清掃のための休館が主な原因でございます。建設から30年近く経過をしておりますので、各設備の老朽化に伴う不具合等が発生しております。随時対応できるものでありますけれども、改修工事においては、休館により対応しなければならない場合もございます。大規模なリニューアル工事を望む声もありますが、現在の状況を鑑みますと、必要とする改修工事を計画的に実施することとしており、四万清流の湯運営協議会におきましてもその旨を伝えているところでございます。今後予定される改修工事につきましても、関係機関と調整の上、最小限の休館日数で工事が終了するよう努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)特に温泉を利用する施設ですので、水回りなど、老朽化に伴い、頻繁に不具合が発生していると思われます。私も、清流の湯運営協議会には前常任委員会所属時に出席しておりましたので、大規模なリニューアルを行わないとする方針は確認いたしました。しかしながら、長期休館を行ってから後も断続的に休館が続くとなると、やはり今後の運営についてはしっかりと考えていく必要があると思います。

 次に伺います。四万清流の湯の今後の運営について、町長の見解をお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)四万清流の湯の今後の運営ということでございますけれども、四万清流の湯につきましては、私が議員時代に完成となり、平成8年にオープン、運営が開始されたものと記憶をいたしております。源泉を所有されているみなさんが無償で温泉を提供していただけるということで、四万地区のご要望を受け、当時の宮崎町長の英断により、議会の議決を経て、現在の礎が築かれたものと感慨深く思っております。

 先ほどの答弁のとおり、施設の老朽化による改修工事も必要なことから、優先順位をつけ、施設の改修工事を行い、長寿命化を図ってまいります。引き続き、四万清流の湯運営協議会におきまして、運営の方向性等を協議しながら、適切な施設運営に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)地元からの要望もあり、造られた施設であるということです。道の駅のところでも触れましたが、造られた当初の状況と30年近くを経ての現在とでは社会的状況や観光客の動向も随分と変化をしております。

 今回の一般質問の準備に当たり、清流の湯の設置条例を調べてみますと、産業観光の分類ではなく、第8類、厚生の第2章、保健衛生分類にありました。そもそもの設置の目的が保健衛生のためのものであるならば、その見地からもしっかりと見直しをしていく必要があると考えます。

 ここからは提案です。現在、町では四万温泉の魅力度を上げるための予算を計上し、調査を行っているものと存じています。私は、四万清流の湯こそ四万温泉の魅力をアップするための核になれると思っています。宿泊をしなくても良質な四万のお湯を体験できること、美しい四万の清流がすぐそばを流れていること、四万へき地診療所を併設していることなどがその理由です。ヘルスツーリズムという言葉があるほど、旅と健康促進は相性がよいものです。例えば清流の湯を発着点にして、四万温泉地内のウォーキングを行って、最後に汗を流して帰る、清流の湯から四万川へ下りる遊歩道を整備し、水に触れられるようにするなど、清流の湯の立地条件を十分に生かし、町民の健康寿命を増進し、外部からのお客様にもさらに深く四万温泉の魅力を体験してもらう。特に、町民にとってはへき地診療所があるわけですから、自身の健康状態のチェックや抱えている健康不安を医師に相談するなど、身近な医療機関として診療所をもっと活用してもらうことも必要ではないでしょうか。温泉入浴は温泉入浴、診療所は診療所、四万の自然の活用はまた別の話というように、個別に考えるのではなく、町民の健康寿命増進、入浴施設運営、観光地の魅力度アップを総合的に考えていくことが必要だと思います。こういった横断的な運営を行うためには非常に柔軟な考え方が必要だと思います。地元住民、事業者、行政関係者、温泉組合、観光客など、多様な当事者がいます。そして、それぞれの当事者にとって、施設との関係性も優先させたいことも異なります。関係性が多様であればこそ、その意思統一は一層難しくなります。こういった多様な関係者の意思統一を図る時は、一度当事者と関係ない人に運営の話に入ってもらうことが有効だと考えます。例えば社会課題解決アーティストと呼ばれる活動をしている方がいます。アーティストですが、ただ作品を創って、それを人に見せるだけではなく、社会に存在するあらゆる課題を作品を通して見える化し、課題解決への道筋を一緒に考えていく存在です。この町に中之条ビエンナーレをきっかけに移住したアーティストたちの中にもこういった課題に対し、鋭く目を運び、解決策を模索する人達がいます。前段の道の駅の今後についても同様なことが言えますが、社会課題が複雑化、複合化している中で、今ある施設を活用して、課題解決を図っていくことが必要だと思います。せっかく20年近くにわたりアーティストとの密接な関係をつくってきている中之条町ですから、彼ら、彼女らの力も大いに借りながら、町の施設運営についても一緒に考えてもらう。ぜひそういったことを今後の施設運営の視点に加えていただきたい。このことを要望いたしまして、1つ目の質問を終えたいと思います。町長、一言あればお願いします。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)まさにおっしゃるとおりだと思います。といいますのは、四万は「四万の病を治す」、そして「世のちり洗う四万温泉」、これがもうみなさん、標語としてよくご存じだと思います。かるたにも歌われております。そういった中において、やはり四万は国民保養温泉地第1号という歴史的な経過もございます。私は町長になって、今まで四万について議員時代も訪れていましたけれども、やはり四万というのは清流なのだろうと、その清流の脇に湧き出ている温泉にゆったりとつかっていただいて、昔は湯治をするということになりますと、原沢議員おっしゃるように、自然を楽しみ、観光を楽しみ、そして湯治をして、健康な体に戻して帰っていくのだと、これが四万の歴史であろうと思っております。そういった中において、今までその魅力を調査するということが今までなかったようなふうに思っております。ですので、令和6年度から四万の魅力を調査する、四万の清流をまず。草津には湯畑もあります。伊香保には石段もあります。だとすれば、四万は何だろうというふうに考えた時に、やはり清流であろうと、こういったものを、全体的に長い川ですから、調査をして、いろんなところにいろんな観光スポットがあるのではないかというのをもう一回見直すと、その脇に立っている四万清流の湯、これはもう地元の要望がありまして、あの時は日帰り温泉施設がなかったものを何とか全国的に先に造ってくれというような形になりまして、お泊まりならなくても四万の清流の湯を楽しんでいただいて、清流を見ながら自然を楽しむ、そういったことにつきまして、やはり観光協会、四万温泉協会、そういった方々の意見をいただく前にいろんな調査をして、こういった四万の観光スポット、四万の清流はこういうのですよというのを町でもやはり把握をしなければならないだろうというふうに思っております。長い間、その四万の清流は、みなさんご承知だと思いますけれども、どんな観光スポットがあろうかという調査は行われていなかったような、そんな気がいたしますので、令和7年、令和8年に予算組みをさせていただいて、まず調査をして、どこをどういうふうにするか、今まで既存であるもの、どういうふうに生かしていくのだというものをもう一度四万の方々と相談をさせていただく。私が議員になった時は、45万人ぐらいおいでになりました。現在31万人ぐらいであります。できれば、45万人に近づけるような、そういった四万の魅力をもう一度呼び起こす、こういったために四万の清流、あるいは四万清流の湯の既存の施設を利用しながら考えていきたいと、こんなふうに思っておりますので、ぜひ今ご意見承ったことにつきまして、私も同感でありますので、今後皆様方といろんな相談をさせていただいて、四万のみならず、沢渡温泉にもやはり力を入れて、中之条町は花と湯の町ですから、やはり湯に対して、もう一度目を向ける、そんなことを考えていきたいと、こんなふうに思っております。よろしくお願いします。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)ありがとうございます。質問通告にはない内容でございましたけれども、町長おっしゃるとおり、本当に既に中之条町はいい素材がたくさん、温泉も含め、あります。これをどうやってつなげていけるかというのが本当にこれから既にあるものをうまく活用していく大事な視点だと思いますので、また私もいろいろとできる提案させていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、次の質問に入ります。ふるさと納税について伺います。冒頭にも触れましたが、私はふるさと納税が国によって導入された当初の政策目標と現在の実際の運営には大きな隔たりが生じていると感じています。ふるさと納税は2008年に始まり、10年前に上限額が引き上げられたのを機に一気に拡大し、昨年度の全体の寄附総額は1兆2,000億円を超えています。ところが、そのうち5,900億円は返礼品を含む経費に消え、仲介するポータルサイトにも支払われています。結局自治体に寄附として入っているのは半分程度にすぎません。

 まず、ここで伺います。ここ5年間の寄附額の増減経緯はどのように推移していますか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)ふるさと納税についてのお尋ねでございますけれども、直近5年間のふるさと納税による寄附額につきましては、コロナ禍の影響や返礼品となる地場産品の線引き基準が厳格化されたなどの要因で3億円を下回る寄附額で推移をいたしております。

 前年度分から申し上げますと、令和6年度2,307件、2億407万9,400円、令和5年度2,935件、2億2,183万9,100円、令和4年度2,276件、2億1,580万4,472円、令和3年度2,370件、2億2,458万242円、令和2年度2,443件、2億8,742万1,938円となってございます。特に、前年度の令和6年度に減少した要因は、準町民制度の廃止、中之条ビエンナーレの開催しない年であったこと、令和の米騒動などが影響し、他の自治体へ寄附されたのではないかと考えております。

 都市部では、今年8月、新型コロナウイルス感染症が増加したようでありますが、それでも世間の人々はマスクの着用が減り、外出の自粛もなくなり、コロナ禍以前の生活に戻りつつある状況であります。このような状況の中で、旅行などで中之条町にお越しいただき、返礼品の感謝券を使用していただくことにより、町内での循環や消費喚起に結びつけ、交流人口を増やすための施策の一つとしてふるさと納税を位置づけておるわけでございます。今後は、ふるさと納税の大手ポータルサイトの利用を増やしていくなどの対策を行い、寄附額の増加及び交流人口の増加へと努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)ふるさと納税の返礼品として、感謝券を通して直接町に来てもらう、そのことで交流人口を増やしていく、これはそもそものふるさと納税の目的に則しており、とてもよい活用の方法だと思います。いち早く感謝券を取り入れた中之条町は大変注目を集め、たくさんの寄附金を得てきました。それを追うように近隣の他の市町村が感謝券を返礼品として導入していった経緯も、私、観光協会で働いていましたので、よく把握をしております。私が問題だと感じるのは、このようによい返礼品にはたくさんの寄附が集まり、自治体間の競争が促されるような実態になってしまっていることです。総務省からは、この制度に対し、ふるさとやお世話になった自治体への感謝や応援の気持ちを伝えるものと趣旨の説明がされますが、実際には返礼品目当ての官製ネットショッピングとなってしまっているように感じています。その背景には、仲介するポータルサイトの存在がとても大きいと思います。先ほど昨年度の寄附金額が2億400万円を超えたと答弁いただきましたが、決算書によれば、決算代行手数料とポータルサイト掲載料を合わせて2,000万円を超える額が支払われています。もはやふるさと納税は国による大手ポータルサイトの収益保護システムになっていると言っても過言ではないと感じています。そうはいっても2億円の寄附金収入というのは大きな数字です。答弁にありましたとおり、実際に感謝券が利用されることによって、経済的な効果もあるわけで、すぐに制度から脱退するというのは現実的ではありません。

 ここで、返礼品の中身について質問をいたします。この5年間、返礼品の内容はどのように変化をしていますか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)原沢議員おっしゃるように、ふるさと納税の一面がそういうふうにふるさと納税の趣旨とは異なるようなというようなご指摘も一理あるかと思います。そういった中におきまして、当町がふるさと納税に力を入れ始めたのが平成25年の秋であります。納税額50%相当の感謝券、納税額10%の地元特産品、納税額100万円以上の寄附者のうち、希望者に対し、一日町長就任プランを返礼品といたしました。その後、平成29年3月からお礼の電力を返礼品に加えたところであります。しかし、平成29年4月に総務大臣通知により、返礼品割合を3割以下とする要請を受け、平成29年10月より、感謝券は3割とし、1割の地元特産品は廃止とさせていただきました。

 国が定める返礼品における地場産品とする基準や返礼品の調達費用基準が年々厳しくなってきており、対象自治体の取消しについても厳格化されてきております。国が示す制度基準に適合するよう、準町民制度事業と一日町長就任プランも令和5年9月で廃止させていただきました。前年度の令和6年度中には、総務省へ申請をしまして、町ブランド米花ゆかり、それから六合の花ドライフラワーを新たに追加をいたしました。このようなことから、令和2年度は納税額30%相当の感謝券、お礼の電力、納税額100万円以上の寄附者のうち、希望者に一日町長就任プランでありましたけれども、令和5年度中に一日町長就任プランを廃止、令和6年度中には納税額30%相当の感謝券、お礼の電力、町ブランド米花ゆかり、六合の花ドライフラワーとなっております。よろしくお願いします。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)答弁にありましたとおり、総務省も過熱する返礼品競争に対し、一定の歯止めをかけなければいけないということで規制の強化に移りました。そのことで中之条町への寄附額も減ってきています。そういった厳しい状況の中でも地産地消の電力やおいしいお米、ドライフラワーなど、創意工夫して中之条町ならではの返礼品を選んでこられていると思います。

 では、この返礼品の内容はどのように決定されていますか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)返礼品の内容の決定につきましては、担当課、担当職員が情報収集し、総務省の示す地場産品基準に適合しているかを確認した上で調整、検討して、町長である私が決定をしている状況でございます。令和6年度に返礼品のメニューを追加いたしましたが、地域の魅力発信として、中之条町産のよいものを全国に広めたい、私の一つの思いで判断をさせていただきました。

 当町には澄んだ空気があり、清らかな水が流れており、自然豊かな風景からおいしいお米が収穫をされます。また、花や枝物など、花卉業界においては既にブランドとして認知されている六合の花を加工したドライフラワーに、町として近年力を入れております。この町ブランド米花ゆかりと六合の花のドライフラワーをご寄附いただいた皆様にお届けしたいという私の思いで追加した次第でございます。

 平成25年度から交流人口を増やすためにも中之条町にお越しいただき、中之条町を応援していただきたいとのことから、感謝券を返礼品の中心に置き、今日に至っております。しかし、様々な事情により、中之条町にお越しいただくことが困難な方もいらっしゃると思われますので、そのような方には中之条町の地元特産品、地元産品を返礼品のメニューに加えて贈りたいと考えております。今後も返礼品メニューがさらに充実したものとなるように研究をさせていただきたいと考えております。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)町長の町への熱い思いで、返礼品を決定されているということが伝わってまいりました。その思いに私も共感いたしますし、先ほども述べましたが、現在の返礼品もとてもよいものであるというふうに感じております。ただ、一方で他にも中之条町らしい特産品はあるのではないかということも感じているところです。返礼品の決定方法について、提案を含めて最後に伺います。

 返礼品を選考する委員会をつくり、どの産物が地域貢献につながるかを判定した上で返礼品にすればよいと考えますが、町長の見解はいかがですか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)先ほども申し上げましたが、返礼金につきましては、国が定める基準を満たしたものが地場産品として返礼品に該当いたします。その基準は年々厳しく、取消しにつきましても厳格化されてきております。このような状況の中、地域の魅力を発信し、中之条町産のよいものを全国に広めたいという私の思いに変わりはございません。

 返礼品のメニューを増やすには安定供給の確保はもちろん、事業者の業務範囲や発送手続の業務量等を確認するなど、対応していただく事業者との調整や地場産品基準の判定を含めて、慎重に対処してまいらなければなりません。仮に返礼品の選考委員会を実施した場合、返礼品の提案を受けることはできますが、その会議の場において、判断、決定するのは非常に難しいのではないかと考えております。地域貢献につながるよい地場産品があれば、担当課、担当職員に調査研究をさせますので、よいアイデアやご意見がございましたら、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

 ふるさと納税での寄附金は町財政における重要な財源でございます。今後も地場産品基準に適合し、ふるさと納税の指定継続を念頭に情報収集を強化して、国の動向にも注意しつつ、制度に適合した途切れない対策に努めてまいりたいと思いますので、どうぞご指導よろしくお願い申し上げます。

〇議長(安原賢一)1番、原沢さん

〇1番(原沢香司)力強い答弁いただきました。町長の思いには重ねて私も賛同の意を表すものです。答弁にありましたとおり、総務省の基準、これまたどんどん厳しくなっていくのではないかと思います。今後さらに使いづらい制度になることも十分に予想されます。このふるさと納税の制度については、東京特別区の納税者の5%程度にすぎない高所得者が全体の40%の寄附金控除を受けているという偏りも指摘されています。東京都や特別区長会は、廃止を含め、抜本的な見直しを要求しています。返礼品競争の過熱も富裕層への税待遇もやめるべきである。税金は基本的には住んでいる自治体に支払うべきというのが私の考えです。この制度で助かっている自治体があるのは確かですが、そうした地方格差の是正はゆがんだふるさと納税の仕組みではなく、国の交付税措置などで行うべきだと考えます。ただ、町長の答弁にありましたとおり、現状は重要な財源の一つであることは間違いありません。今後制度の変化があってもしっかりと財源を確保できるよう、備えをしていくことも必要だと考えます。幸い、これまでに本当に多くの方が中之条町にたくさんの寄附をしてくれました。そして、その多くの方は中之条町に来てくれ、愛着を持ってくれたのではないかと思います。とても貴重な財産をこの間築いてきたと言えると思います。ふるさと納税の制度を利用するしないにもかかわらず、町のファンになってくれた方に継続的に関わり合いを持ってもらうような仕組みづくりができれば、ふるさと納税が導入された当時の本来の目的を果たせるのではないでしょうか。今日は時間がありませんので、また機会を見て、中之条町独自の交流人口施策について議論をできればというふうに思っております。

 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。


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