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令和7年9月定例会議 一般質問(山田みどり議員) 

ページID:0012015 更新日:2025年11月15日更新 印刷ページ表示

01 5番 山田みどり議員 令和7年9月定例会議一般質問

〇5番(山田みどり)みなさん、おはようございます。9月定例会議通告に従いまして、私の一般質問を始めさせていただきたいと思います。私の質問は、1、教職員の働き方と学校の現状について、2、平和教育の取り組みについてです。

 まず最初に、教職員の働き方について。学校教育における教職員の働き方改革は、単なる労働環境の改善にとどまらず、教育の質のそのものを向上させるための重要な課題です。文部科学省が掲げる働き方改革の目的は、教師が我が国の学校教育の蓄積と向かい合って、自らの授業を磨き、日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、教師としての自信と誇りを持って、子ども達に効果的な教育活動を行うことにあります。この目的は、教員自身の幸福と子どもの教育の質の向上という2つの側面が密接に結びついていることを示唆しています。教員が心身ともに健康で充実した生活を送ることが結果的に子ども達へのよりよい教育につながるという考え方です。

 教職員の働き方改革は、県の主導の下、様々な形で進められています。例えば文部科学省が作成した公立学校の校長先生のためのやさしい勤務時間管理講座といった動画や、学校単位での教職員の勤務時間把握が必須であることを示しています。また、中央教育審議会の答申では、教職員のストレスチェック実施も提言されています。しかし、これらの取組が現場でどこまで実施され、効果を上げているかは不透明です。依然として、教職員の苛酷な勤務実態は解消されたとは言えず、それが教員志望者の減少と離職率の増加という深刻な問題を引き起こしています。教職を志す学生が現場の苛酷な現状を目の当たりにし、選択を躊躇していることは明らかです。こうした負のスパイラルを断ち切るためには、教育現場全体を変革していく必要があります。勤務時間の適正な管理やストレスチェックの実施はもちろん、教員が本来の業務である子どもと向き合う時間を確保できるような抜本的な改革が求められます。具体的には、教員以外や専門スタッフの配置、多角的なアプローチが必要です。教員が心身ともに健康で、やりがいを感じながら働ける環境を整備することが子ども達の未来を支える教育の質の向上に直結すると考えます。中之条町の教職員の働き方について現状の把握はされているでしょうか、答弁を求めます。

〇議長(安原賢一)教育長

〇教育長(山口暁夫)それでは、山田議員のご質問にお答えいたします。

 教職員の働き方改革につきましては、山田議員のご質問にもございましたとおり、子ども達に対して効果的な教育活動を行うことを目的として、様々な面から取組が必要とされております。

 群馬県では、令和2年度に県教育委員会で設置された教職員の多忙化解消に向けた協議会により、令和3年度から毎年提言として業務削減や効率化、働きやすい職場づくりなどに向けて取り組むべき事項が示されております。

 具体的には、余剰授業時数の削減、勤務時間外の電話対応の軽減、教材費等の会計業務の軽減、ICTを活用した宿題やテストの実施、採点、学級通信や保護者との連絡帳のデジタル化、研修・会議等の精選やオンライン化などがあります。同様の提言は、保護者や地域の皆様向けにも作成されており、教職員の業務負担軽減に対し、理解と協力を求めております。

 また、山田議員のご質問にもありました勤務時間の管理につきましては、県教育委員会が導入しているシステムにより、毎日の勤務時間が一人一人記録され、それを月ごとにまとめ、45時間を超える時間外勤務がある教職員については、その原因を含めた把握を行っております。

 具体的に、令和6年度の状況で申しますと、月ごとの時間外勤務の1人当たりの年間平均時間は、小学校では約22時間、中学校では約40時間、一月の時間外勤務が45時間を超えた人数は、小学校では多い月で9名、中学校では23名、80時間を超えた人数は、小学校ではなし、中学校では多い月で3名おりました。時間外勤務が45時間を超えた主な理由といたしましては、運動会や文化祭、学期末テストなどの校内行事の準備や対応、生徒指導やそれに伴う保護者対応などが多く、80時間では、加えて年度初めや年度末の事務作業、高校入試や進路への対応、部活動や中体連の役員対応などが挙げられます。このことから、学校では行事の見直しや事務処理の見直しなどに取り組んでおります。生徒指導や保護者対応など、その内容により丁寧な対応が必要とされる業務が増えている現状もあります。

 さらに、ストレスチェックにつきましては、町負担により労働安全衛生法に基づき実施しており、結果に基づき、自身のストレスへの気づきを促すとともに、集団分析を参考に職場環境の改善につなげ、働きやすい職場づくりを目指しております。以上でございます。

〇議長(安原賢一)5番、山田さん

〇5番(山田みどり)働き方改革の今の現状をご答弁いただきました。行事などがあれば、なかなかこの時間外がどうしても生じてしまうということは致し方ないところもあるかもと思うのですけれども、多忙化解消に向けての取組として、働き方改革の中ではICT化によって業務を効率化し、学校業務の一部を外部に委託することで教員の業務負担を軽減するとしています。が、実質業務量は増えています。英語教育やタブレット導入、ICT化がかえって教員の負担になっている現状であると思います。

 教育長は、今年3月の定例会議の同僚議員の一般質問において、教職員の実態を把握するためのアンケート調査は考えていないと答えていますが、業務量が増えているのに、勤務時間だけを削減するという働き方改革だけでは、教職員は一体どの時間にその仕事をするのでしょうか。形だけの削減では教員の多忙化が解消されているとは言えないのではないでしょうか。教育長の見解を伺います。

〇議長(安原賢一)教育長

〇教育長(山口暁夫)お答えします。

 業務の効率化や向上に対し、新たな取組が必要となる場合、一定の負担が生じることは仕方のないことと考えております。

 ICT化に対しましてもセキュリティー対策と活用の両面や、できることが多過ぎて、かえって負担が生じるなど、過渡期ならではの課題がございます。このことから、今年度から町単独のICT支援員を学校に配置し、ICT化に関する教職員の負担軽減に取り組んでおります。

 また、コミュニティ・スクールの設置や地域学校協働活動の導入により、体験活動や地域学習などの教育活動に対し、地域コーディネーターが学校と地域の橋渡しを行うことで、学校の負担は格段に軽減されております。さらに、本町の学校には、養護教諭補助員、心の相談員、特別教育支援員、生活指導支援員、英語教育支援員、学校図書館兼スクールバス見守り支援員といった他の自治体では考えられないほどの様々な支援員を配置しており、教職員の負担軽減が図られております。

 また、県から示される提言に基づき、実施可能な事項から取組も行われております。具体的には、災害や感染症まん延により授業ができないことを想定し、余分に確保していた授業時数を削減したり、事務処理日を設定することで教材作成の時間や事務処理の時間を増やしております。

 また、教材費やPTA会費の集金について、手数料分を補助金として予算化していただいたことで、口座引き落としが実現し、現金の取扱いによる負担を減らしております。その他、紙媒体で行っていた保護者への連絡について、事前に登録することにより、必要な連絡網を選択して連絡ができるオクレンジャーのアプリを使い、様々な連絡や会議等の出欠の取りまとめ等が行われております。

 さらに、町教育委員会では、教職員の多忙化や長時間労働の現状を改善し、教職員の心身の健康やワーク・ライフ・バランスを保つことにより、子ども達としっかり向き合う時間が確保され、学校の教育力の一層の向上や子ども達の健やかな成長を支えることにつながるとの考えの下、国指針や県条例を受けて、中之条町立学校教育職員の業務量の適切な管理等に関する規則を定め、規則に基づく教育職員の労働時間に関するガイドラインを作成しております。規則及びガイドラインでは、一月の時間外勤務の上限を設け、基準を超えた場合は産業医との面接による保健指導を勧奨するなどの取組も行っております。

 今後は、校務支援システムの導入を予定しており、さらなる業務改善の軽減を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

〇議長(安原賢一)5番、山田さん

〇5番(山田みどり)様々な取組で教員の多忙化解消していることを確認いたしました。学校と社会の変化に伴って、教員に求められていることは本当に多様になっていると思います。

 高崎市の事例ですけれども、公立小学校では保護者からの要望を受けて、来年度から朝7時に開門時間を早めることとしています。これに対して、教職員でつくる組合から撤回を求める要求書が出されています。子どもの安全を守るためには教員が対応しなくてはならず、朝7時の開門に合わせて、早く出勤しなくてはなりません。学校は公教育の場ですが、民間のようなサービスを求められて提供することが当然となれば、学校の概念が変わってしまうのではないでしょうか。これは、高崎市のケースではございますけれども、他の自治体にも影響があるのではという懸念がされます。通告の質問にはなかったのですけれども、こういった高崎市のケースでありますけれども、町内でもこういった要望があって、時間を早めてくれとか、そういう要求がもし出た場合、町としてはどのような対応するのか、教育長に答弁を願います。

〇議長(安原賢一)教育長

〇教育長(山口暁夫)私の考えでございますけれども、開門時間を早めるということはそれなりに保護者の都合等があるのかなと、そんなふうに思います。ただ、中之条町としては、スクールバスを使っております。開門時間までにスクールバスを運行すると、早めた場合に運行するというような時に何回も往復するような状況も出てくるかなというふうに思いますし、また先ほど山田議員のおっしゃったとおり、早くに学校に来た子どもの面倒を見るといった時には、やはりどこかで教職員の支援が必要になってくるかなと、そんなふうにも思います。今のところそういう要望等は承っておりませんが、私としては今までどおりのことで進めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

〇議長(安原賢一)5番、山田さん

〇5番(山田みどり)すみません。通告なかったのですけれども、お答えいただきましてありがとうございます。こういった様々な保護者からの要求というか、保護者からのお願いがあって、要望があってこういった、高崎市ではいたしかたなくこういった対処を取ったのかなというふうに感じるのですけれども、なかなか教職員の多忙化がこれによってさらに深刻になっていくという現状で嫌だと思いますので、ぜひこのへんのところは中之条町においては、特に考えてはいないということですけれども、ぜひ教職員の多忙化解消につながるようにしていただければと思います。

 また、次の質問に入りますけれども、教職員の多忙化の一つとなっているのが全国学力・学習状況調査です。これは悉皆調査となっていますが、毎年この議会で全国学力・学習状況調査の結果について報告を受けます。対象は、小学校6年生、中学校3年生の学年が実施しています。その他にはCRTテストを実施しているのですけれども、これらの学力テストは本当に子ども達や教員にとってプラスになっているのか。私は、この点に疑問を感じています。テスト実施前の準備、そしてテスト実施、テスト結果の分析、担当する教員は膨大な業務に追われています。特に、テストの結果は分厚い冊子となって返却され、教員はその内容を読み、分析し、教員のスキルアップや事業改善に役立てるという流れですが、しかし多忙な業務の中で、この分析がどれほど授業にフィードバックされ、生かされているのか、疑問が残ります。数字だけでは子どもの本来の力をはかることはできないのではないでしょうか。テストは、誰のためのテストであると考えますか。中之条町において、学力テストが子どもの成長に大いに役立っているとお考えでしょうか。教育長の見解を求めます。

〇議長(安原賢一)教育長

〇教育長(山口暁夫)お答えします。

 全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストは、文部科学省の全国の小学6年生と中学3年生を対象に、学力と学習状況を把握、分析するため、国語、算数、数学について毎年実施され、理科と英語も3年に1度行われております。また、学力検査の他に、学習や生活環境に関するアンケート調査も行われております。調査結果は、国全体、各都道府県、指定都市、地域の規模別に公表されております。

 また、本町では全国学力テストとは別に、町独自でCRTテスト、目標基準準拠テストですが、も行っております。これは、小学1年から中学2年まで、主要5教科に対する学力の実態を客観的に把握し、児童生徒がその学年の内容をどれだけ身につけることができたのかを確認し、不出来なところを補うことに重きを置いて実施しておるものです。

 これらの結果に基づき、学校では児童生徒の学力と学習状況の把握と分析を行い、授業改善や学力向上に向けたプランを策定、授業方法の工夫と改善が行われ、苦手分野の克服や個別指導により学習内容の定着に活用しております。さらに、分析結果は小中学校の連携にも活用され、切れ目ない教育の取組が進められております。

  テストの結果を継続的に分析し、教育活動の計画、実行、評価、改善、PDCAサイクルを回すことにより、より質の高い教育や個別最適な指導等が図られ、結果的に児童生徒の学習能力の向上につながっていくものであることや、教員としての成長や職能向上に寄与するものであることから、全国学力テストやCRTテストの実施、分析は、教員として当然必要な業務の一つであると考えております。

 以上でございます。

〇議長(安原賢一)5番、山田さん

〇5番(山田みどり)ご答弁いただきました。テストの実施の状況を伺っても、いろんな聞き取りをしたところ、やっぱり実際のところ、学校でのフィードバックというところまでできている先生もいらっしゃるかもしれませんけれども、なかなかちょっとできないなという先生もいらっしゃるようです。完全にそういったところは教育長というお立場からは、これがそういうことで進めているというのは、町の全体の考えとしてお答えいただいていると思うのですけれども、実際のところ、やっぱりこの学力テストに対しては肯定的な意見や否定的な意見の方もいらっしゃいました。実際業務の中で、決してこの学力テストに向けの準備だとか、その後を受けての学校授業のほうにつなげるまでの流れというのは、今の現在の業務の中では決してたやすいことではなく、先生方が本当に努力をされて、一生懸命それに向けて授業を改善していこうとか、そういう先生方のやる気というのでしょうか、努力になっているのが状況かなというふうに思います。先生にも余裕がなければ、様々な対応ですとかそういったことを見落としてしまうことにもつながるのではないかなというふうに考えます。多忙化解消に向けて、教職員からの聞き取り、アンケートはなさらないとおっしゃっておりましたけれども、引き続き教職員との聞き取りをしながら、しっかり対面で聞き取りをしながら、よりよい環境になることを求めて、次の質問に移りたいと思います。

 子どもの居場所づくりをどのように考えるかということですけれども、学校に通うことが困難である子ども達の居場所をつくり、多様な学びの場を整備するとして、教育支援センターが設置されました。「虹」は、平成30年から開設し、現在は教員4名が配置、令和6年度は30名の児童生徒を受入れをしているということですけれども、子どもの学ぶ権利を保障するためには重要な役割を果たしていると考えますが、本来は学校が子どもの居場所であるべきですが、学校へ通うことのできない要因はどこにあるのでしょうか。教育支援センターなど、不登校に対する取組の様子をご答弁いただけますか。お願いします。

〇議長(安原賢一)教育長

〇教育長(山口暁夫)お答えします。

 近年、我が国では不登校やいじめ、子どもの自殺などの諸課題が深刻化しております。特に、不登校について、文部科学省が実施した令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、小中学校で約34万6,000人となり、11年連続で増加し、過去最多となっているとの報告がなされました。

 同調査報告によりますと、不登校児童生徒の割合は、小学校で2.14%(47人に1人)、中学校では6.71%(15人に1人)となっております。本町では、同じく令和5年度においては、小学校で0.99%(101人に1人)、中学校で3.36%(30人に1人)となっており、全国に比べれば低い状況となっております。

 なお、不登校児童生徒の定義は、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた者とされておりますので、学校には来られるものの教室には入れず、保健室登校や別室登校を行っている人数は加味されておりません。

 不登校の原因がいじめやいじめ以外の友人関係をめぐる問題、教職員との関係をめぐる問題など、学校に関わる問題であれば、解決に導けることも多いと考えられます。しかし、特段大きな理由がなく、学校になじめなかったり、親子の関わり方や家庭内の不和などの家庭に関する問題であったり、生活リズムの乱れや無気力、不安などの原因の場合など、簡単に解決できないケースも多くあります。

 完全不登校の児童生徒に対しては、まずは学校とのつながりが途切れないよう、学校において家庭や児童生徒への定期的な連絡や家庭訪問を行っております。また、ご家庭で学校に連れてきてもらい、駐車場などで僅かな時間でも教職員と面談することで、少しずつ学校に足が向くような取組も行われております。さらに、様々な居場所づくりも行っており、学校では保健室や心の相談室、空き教室を使った自主学習室など、児童生徒の状況や状態によって、教室には入れなくても、まずは学校に足が向くような取組を行っております。

 それでも学校に行くことができない児童生徒に対しては、学校と教育支援センター「虹」が連携し、学校への復帰を目指して取り組んでおります。また、学校や「虹」が関わりを持ち続けることにより、高校からは通えるようになるケースもあることから、社会適応力の育成にも取り組んでおります。さらに、学校や「虹」に足が向かず、家に引き籠もっているような場合には、県教育委員会が設置している「つなぐんオンラインサポート」、通称「つなサポ」と呼ばれておりますが、その利用により、つなサポでの児童生徒や教員との関わりが持てるようになり、少しずつ学習にも取り組めるようになってきた事例もあります。

 この他、全国では様々な取組が行われておりますので、それらも参考にしていきながら、今後も1人の児童生徒も取り残すことがないよう取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

〇議長(安原賢一)5番、山田さん

〇5番(山田みどり)様々な取組をされているということが確認できました。先ほどの答弁の中でも本当にきめ細やかな支援員を配置しての対応ということを我が町ではやっているということを答弁いただいていますけれども、子どもを取り巻く環境というのは本当に変化を続けていて、その学校に来られない要因というのは様々であって、これを行えばいいという特効薬があるわけではありません。ですから、個別の細やかな対応が必要であり、先ほどいろいろ配置していただいているスクールカウンセラー、学校保健室を使ったり、もしくは支援員、専門的な対応をしていただいている方が子ども達に寄り添ったきめ細やか対応が本当に求められていると考えます。

 また、一方で児童や生徒に向き合うべき教師が業務の多忙化によって余裕がない状況にあることなども併せて改善していかなくてはなりません。本町においては、環境に恵まれ、様々な学びができる条件があると思います。中之条だからこそ子どもの人格の完成を培う最適な場所であると考えます。今後も町の教育行政においては、きめ細やかな対応と子ども達が生き生きと学べる環境の整備に従事していただきますようお願いいたしまして、次の質問に入りたいと思います。

 次に、平和教育の取り組みについて質問をさせていただきます。今年で戦後80年を迎え、戦争を知る人が減少していく中、戦争の記憶や記録をどのように伝え残していくかが課題となっています。戦争を体験した人たちが復興に尽力し、平和を守り抜いてきたことを知らない世代がいます。学校の授業の中で近代史に触れることが少なく、平和教育については、関心はあるがよく分からないという若い世代の声があります。本町においては平和教育について触れる時間はどのくらいあるでしょうか、ご答弁をお願いします。

〇議長(安原賢一)教育長

〇教育長(山口暁夫)お答えします。

 小中学校での平和教育は、単に戦争の悲惨さを伝えるだけではなく、子ども達が自分の生活や社会に置き換えて考え、平和を築く行動につなげることが大切であり、学年段階に応じた発達の特徴を踏まえ、段階的に取り組む必要があるというふうに考えます。

 現在、国語の教科において、小学校では絵本や物語から命の大切さや思いやりを学び、中学校では戦争体験記や平和を願う文学作品を読み、感想や討議などの学びが行われております。また、社会の教科においては、小学校では戦争や空襲、原爆、沖縄戦についてや憲法の基本理念である平和主義、人権尊重を理解する学習が行われ、中学校では近現代史の中で戦争と平和の歴史を深く学ぶことや、憲法9条、国際連合や国際協力について議論することなども行われております。さらに、道徳の教科においては、小学校で友達を大切にする、いじめをしないといった日常生活の平和を考え、中学校では世界の子どもの現状(貧困、紛争、教育問題)に触れ、自分にできる行動を考えさせることなどが行われております。この他、理科や美術、音楽、体育などの教科から生き物や自然を大切にし、命を尊重すること、平和を願う図画や歌による表現や感情、競技を通じて助け合いやルールを守り、相手を尊重する態度を培う教育など、様々な教科で平和教育が行われております。もちろん、総合的な学習の時間において、平和学習を取り出して行うことは可能ですが、教職員の働き方改革の面で授業時数の削減が求められていることからも、その代わりに現在行われている地域学習を減らしたりなくしたりする必要が出てきます。

 平和教育は特別な教育課程を設けなくても、各教科に自然に組み込んでいくことが効果的であり、過去を学び、現在を見詰め、未来を創る力を子ども達に育てることが大切であると考えております。

 以上でございます。

〇議長(安原賢一)5番、山田さん

〇5番(山田みどり)様々な教科から平和教育に触れて授業を行っているということが確認できました。なかなか時間をそれについてだけで時間を取るということは、授業時間というのも決められていて、非常に難しいのかなというふうに思います。長期休みですとか放課後の時間、こういったことを利用して、平和について触れる機会をぜひつくっていただきたいと考えます。

 また、コミュニティ・スクールなど、いろいろな取組もされていますけれども、こういったことを活用して、ぜひやっていただければというふうに考えます。

 中之条町には、小学校すぐそばの林昌寺の下におろかものの碑という石碑がありますし、合同庁舎には忠霊塔があります。歴史とともに、その当時のことなど、町の歴史を知ることにもつながるのではないかなというふうに考えますので、ぜひそういったことで活用していただきまして、平和教育については触れる時間をなるべくつくっていただきますようお願いいたします。

 次の質問に移りたいと思います。「核兵器廃絶平和の中之条町」宣言は、以前モニュメントが掲げてありましたが、現在は他の物に変わっていて、宣言は玄関入り口に掲示してあります。今年は、戦後80年になり、改めて平和を語り継ぐことの重要性を感じています。

 昨年は、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。核廃絶を求めて活動されてきた長年の功績が認められてのことです。唯一の被爆国の日本は、核兵器の恐ろしさとその犠牲の被害を十分に知っています。核兵器とは共存できない。私達の次の世代に核のない世界を構築するためにも、今「核兵器廃絶平和の中之条町」宣言を改めてここで示す時ではないでしょうか。町長の見解をお聞かせください。

〇議長(安原賢一)町長

〇町長(外丸茂樹)それでは、山田議員のご質問にお答えをさせていただきます。

 「核兵器廃絶平和の中之条町」宣言につきましては、平成10年に決議したものでございます。当時、私が町議会議員として1期目ではありましたが、9月定例会に議員発議により提案された議案でありまして、議案提出に当たり、私も提出者も含む6名の賛成者の一人でありました。そういった意味において、私自身にとって大変思い入れのある宣言であります。その後、役場正面に設置したモニュメントに、当時の町のキャッチフレーズでもありました「ふるさとに会える町 なかのじょう」、こういったものも含めて掲載を行ってまいりました。町のキャッチフレーズは、現在「花と湯の町 なかのじょう」に変わり、新たに「環境にやさしいまちづくり」宣言や「再生可能エネルギーのまち」宣言も決議されたため、今日まで現在の掲示内容を継続している状況でございます。

 さて、世界に目を向けますと、核兵器を取り巻く昨今の世界情勢は非常に緊迫したものであり、ロシアによるウクライナへの侵攻、イスラエルのガザ地域への攻撃、日本周辺におきましても台湾情勢も不安定化しており、北朝鮮による度重なる飛翔物の発射、そして核兵器の開発や保有を疑われている国の存在や世界各地でのテロなど、報道されているとおりでございます。

 我が国では戦後80年が経過し、新聞やテレビ等でも平和や戦争を取り巻く特集を頻繁に目にする一方で、悲惨な戦禍を経験した方々も高齢化する中で、貴重な生の声を聞く機会も年々減ってきております。宣言にもありますように、「世界唯一の核被爆国」として、核兵器廃絶への思いや平和を実現する決意等の思いは世代を超えて継承していくべきものであり、私達の責務であると思っております。そうした大切な思いのこもった宣言に対し、町として敬意を示すことは当然であろうと考えております。

 現在、中之条町の宣言ということで、庁舎玄関横の電子掲示板のところに掲示させていただいておりますが、被爆国である私達だからこそ、先人達が築いてまいりました平和の尊さを未来に受け継いでいく強い意思表示という意味におきましてもしっかりとした形で示すべきであると考えております。掲示の方法につきまして、前向きに検討させていただきたいと思います。

 私の考えとして、山田議員おっしゃるように、戦後80年を経過いたしました。過日、兵庫県のほうへ出張する際に、戦争に関する資料館を訪問させていただきました。小学生、中学生のいろんな標語、あるいは絵などが、ポスターなどが掲載されておりました。私も議員の時に、中之条町議会全員で広島の原爆の資料館、ここも訪問させていただきました。相当なショックを受けました。過日、私どもの職員で子どもさんを連れて資料館のほうへ出向いたそうです。子どもさんも夏休みの体験としては非常にショックを受けたという話も受けました。その時の資料を買ってきていただいて、また見させていただいたのですけれども、改めてその核の悲惨さ、核兵器の悲惨さを目の当たりにしました。やはり核被爆国として考えていかなければならないのは、核兵器と人類は共存はできないのだという気持ちをしっかり持つ、これは大切なことであろうと思いますし、兵庫県の資料館見た時も、「核兵器は要らない 平和の世界を望む」というような標語がありました。日本人として、中之条から広島、長崎は遠いですけれども、唯一被爆国の日本人としてはそういったことをしっかりと心に刻んで、これからの子ども達につないでいくということは大変重要なことであると私も痛感しておりますので、答弁に申し添えさせていただきます。よろしくお願いします。

〇議長(安原賢一)5番、山田さん

〇5番(山田みどり)ご答弁いただき、ありがとうございます。

 戦後80年、本当に記憶や記録がどのように次の世代に受け継いで、つないでいくかということが非常に課題でありますし、町としてこの平和に対しての思い、考えを町長の答弁からいただきましたけれども、ぜひ前向きな検討をいただきまして、また平和に対しての思いをさらに改めて心に刻んで、次の世代につなげるような取組ができればいいなというふうに考えておりまして、前向きな検討をお願いいたしまして、私の質問を終わりにさせていただきます。


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