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06 2番 福田公雄議員 令和6年12月定例会議一般質問
〇2番(福田公雄)それでは、議長の許可をいただきましたので、通告に従い質問を行います。今回私は中之条町の天然記念物に指定されている樹木について、国際忍者学会の結果と今後の展望について、以上2点を質問いたします。
〇中之条町の天然記念物に指定されている樹木について
初めに、中之条町の天然記念物に指定されている樹木について、教育長にお伺いいたします。本町は豊かな自然に恵まれ、地域の歴史や文化を反映した貴重な樹木が存在しています。その中でも天然記念物に指定されている樹木は、町のシンボルとしての役割を果たすとともに、自然や文化の継承に重要な価値を持っています。その重要な価値のあるそのうちの一本、伊賀野のモミの木が9月18日の夜、根元から8メートルを残し折れてしまいました。樹齢は400年以上、昭和20年の沢渡大火も乗り越え、最大時の高さは優に40メートルを超えていたであろう巨木でした。地元の方々はもちろん、多くの観光客の皆様にも愛され、中之条が舞台となった映画にもその作品の象徴として描かれたこのモミの木が倒れたことは、樹木はいつか朽ちるものだとは分かっていても非常に残念でなりません。しかし、まだ枝の一部と幹や根も健康な部分が残っていることから、今後適切な保護、管理がなされれば次世代に継承できることと思います。先週、その手始めとして枝を支える柱の設置と、健康な部分への防腐処理を行っていただいたことに御礼申し上げます。
そして、本町には伊賀野のモミだけでなく、天然記念物の樹木がほかにも多数存在しています。歴史、自然、文化の継承という大きな役割をできるだけ長く担ってもらうためにも、やはり適切な保護、管理が必要だと考えます。現在、町内の天然記念物に指定されている樹木の保護、管理はどのように行われているでしょうか。答弁をお願いいたします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)福田公雄議員のご質問にお答えさせていただきます。
議員お尋ねの町内の天然記念物に指定されている樹木の保護、管理についてですが、町に限らず指定天然記念物は原則所有者が維持管理することになっております。なお、天然記念物の町指定につきましては、所有者からの指定申請を受け、教育委員会が町の文化財専門委員会へ諮問し、専門委員会が調査を行って教育委員会へ意見具申が行われる流れになります。これを受けて教育委員会で審議が行われ、可決されることで町の指定天然記念物に指定されることとなります。以上でございます。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)所有者が維持管理するということですので、その状態や保存状況の把握についても原則所有者が行っていることは分かりました。ただ、天然記念物でありますので、特に町指定の天然記念物、そういった樹木に関しては町もその状態、状況の把握をすることが望ましいと思いますが、現状どのような課題があるか教えてください。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)この件に関しましては生涯学習課長より答弁を行います。よろしくお願いします。
〇議長(安原賢一)生涯学習課長
〇生涯学習課長(剱持和美)現在町には県指定8件、町指定15件の天然記念物がございますが、町全域に点在しており、中には徒歩で1時間ほどかかる山奥にあるものもあります。全ての状態を常に把握することが難しいなどの課題がございます。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)答弁にありましたように、確かにこの広い町内全ての天然記念物の樹木の状態の把握は難しいことであると思います。私も全部回れるものかと思って何本か回っていましたが、思ったよりも大分時間がかかるので、これはなかなか大変なことだなと実感いたしました。ただ、そういった状態の把握、これはやはり必要なことではあるとは思います。所有者からの連絡、また近隣の方、それから観光客からの情報など、そういったものを集めることで適切な対応、早い対応もできるのではないかなと考えています。そういった情報の収集などもお願いいたします。
その中で、老朽化の進行、また季候や周辺の環境の変化などによって樹木が傷んでいる、そういった情報も入ってくると思います。そのような場合の保護計画などはありますでしょうか。
〇議長(安原賢一)生涯学習課長
〇生涯学習課長(剱持和美)樹木の保護計画についてですが、計画書としては策定しておりませんが、定期的に文化財専門委員や担当者による現地調査を行い、状況により整備準備を決めた上で予算化するなどの対応をしているところです。特に老朽化などが見受けられたときには随時対応しております。なお、県指定の文化財につきましては、県の文化財調査員から毎月定期報告を受けており、そちらの資料も参考としております。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)予算化など状況によっての対応とのことですが、その状況判断は樹木医などの専門家の力が必要ではないかと思います。定期的な樹木医の診断は行われているでしょうか。
〇議長(安原賢一)生涯学習課長
〇生涯学習課長(剱持和美)現在定期的な樹木医による診断は行っておりませんが、文化財専門委員などの現地調査により、樹木の状態に不調の兆候が見られたときに診断していただいているのが現状です。
以上です。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)樹木も生き物ですので、なるべく元気なうちに医者の診断を仰げば、より長生きできると思います。特に大きな傷みが見られるものなどは、数年に1度程度の樹木医の診断の検討をお願いいたします。
今回のモミの倒木は、幸いなことに生命、財産に大きく関わることはありませんでした。ただ、特に道路沿いなどでは、地域のシンボルであったはずの樹木が支障木になってしまう、そういう可能性もあります。また、観光客の方が落ちた枝でけがをするなど、事故の可能性も増えてくる、そういったことも考えられると思います。全国には道路沿い、そういったところで事故が起こったり、車に傷がついたり、そういったことで行政の責任を問われ、そこで行政が責任を取る、そういった判例もあります。そういった事故などを未然に防ぐため、そういった枝の剪定などはどのように行われているでしょうか。
〇議長(安原賢一)生涯学習課長
〇生涯学習課長(剱持和美)所有者からの申請や文化財専門委員の調査により、支障があると判断した場合は、現状変更の手続を行った上で剪定することとなります。なお、剪定作業は樹木医資格を持つ剪定業者により行っております。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)天然記念物の樹木はどれも老木ですので、剪定が寿命を縮ませることにもなりかねませんが、生活への支障は避けたいところです。また、観光客の方々、そういった方々の事故なども防ぐべきだと思います。そういったことがないように今後もいち早い情報の把握と対応、また県などの関係機関との情報の共有をお願いいたします。
情報の把握、情報の共有、繰り返し言葉で使ってまいりましたが、そういった多くの情報を集めるには町民みなさん、そういった方々に広く興味を持ってもらうことも必要だと考えます。それには歴史や伝承を知ってもらうことが1つの方法だと考えますが、年齢層も含め、幅広い町民への認知度を上げる施策は行っているでしょうか。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)幅広い町民への認知度を上げるためには、文化財専門委員による町広報紙へのコラム掲載や、同委員会による町の文化財紹介の冊子作成や販売により、町内外の方々に中之条町の文化財に興味を持っていただけるよう、周知に努めてまいります。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)そういった周知のための活動、必要だと思います。こういった天然記念物の樹木、こういったものの歴史、伝承などを知ってもらうことで皆様の地域への愛着、そういったことにもつながると思います。引き続き周知のための活動をお願いいたします。
さて、こういった天然記念物は観光にも大きな役割を持っています。今回調べる中で、自分が思っていたよりも多くの観光客の方がそれぞれの場所を訪れ楽しんでいることを知りました。天然記念物の樹木、やはり今はパワースポット巡りなど流行っていますが、そういった方が町内の樹木、こういったものを巡っていたり、あと伊賀野のモミの木においては結婚記念の写真撮影、新婦の方が非常に伊賀野のモミの木を気に入って、新郎新婦だけでなくちょっとしたカメラマン、衣装の方などなども呼んで、あそこで写真を撮ったなど、そういった話も今回伺いました。
そこで町長にお伺いいたします。現在こういった天然記念物樹木、観光資源としてどのように活用されているでしょうか。お願いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)それでは、福田議員のご質問にお答えさせていただきます。
天然記念物、これを観光資源としてどのように活用されているかというお尋ねでありますが、観光資源としての活用につきましては、多くの方々に町が誇る天然記念物を周知していきたいと考えております。天然記念物による集客という点に関しましては、樹木そのものの保全に限らず、周辺も含めた受入れ体制についても、それ相応に調整、準備が必要であると考えております。当面は町民のみなさんへの理解度を深めるための事業として、公民館事業による古木見学ツアーや、文化財係による親子でめぐる文化財バスツアーなどを実施して、多くの方に文化財に触れ合う機会をつくるように努めてまいります。
なお、町には、自然財産、それから産業遺産など多くの財産がございますが、これらを子供たちや町を訪れた方々に再確認をしていただき、観光面に生かすということは大変大切なことであると認識いたしておりますので、福田議員にもいろいろなご提案をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)古木見学ツアー、また親子でめぐる文化財バスツアー、非常に興味深いところです。こういった興味深いツアーの町外の方、そういった方々に向けてのエコツーリズム、また町を知ってもらうための学びの場としてのプログラム、そういった企画なども今後進めていっていただいて、こういった天然記念物樹木の活用をお願いいたします。
これまでの質問、答弁をいただく中で、改めて伊賀野のモミは残念だと思いました。何かしら倒れる前にできた手だてがあったのではないかと、今そんなふうに思っています。維持管理、これは所有者の方が維持管理をするという答弁いただきましたが、伊賀のモミの所有者は中之条町です。そして、町が所有する天然記念物の樹木はこの伊賀野のモミの木のほか、もう1本、2本だと伺っています。地元の方の情報が届く中、全部の天然記念物の樹木の状態を把握することはもちろん難しいところではありますが、町の所有物、町の財産を2本、状態を把握するということは十分できたのではないかと考えます。
伊賀野のモミの木に関しては、平成26年2月の雪害で正面右側の枝が落ちたときに、切断面に防腐処理などの保存措置がなされました。しかし、その後10年間手つかずのまま、特にその後の保存、保護処理、なされておりません。また、その幹の部分に枯れるような症状が出ている、そういったことを地元の方が少し前、今年ということではなく、少し前から町のほうには伝えていたと、そういうふうに伺っています。生涯学習課に伺ったところ、来年度には対策を講じる予定だったと、そういったふうなお話はお伺いしましたが、地元からの情報が届いたとき、そのときに樹木医の診断だけでも受けていれば、もしかしたら幹から折れるようなことは防げた可能性があるのではないかと考えます。もしこれがほかの町の財産、例えば建物であったり、そういったものをもし破損のおそれがあったりだとか、壊れるおそれがある、そういった情報があった場合にはもっと早い対応、しっかりとした適切な対応を取っていたのではないかと、そんなふうに思います。今回樹木だったから少し見過ごされた、そういった可能性があったのではないかと、そんなふうにどうしても感じてしまいます。今回折れてしまったものは、もうこれは仕方がありません。ただ、残っている幹があり、枝があります。こういった大切な天然記念物、保護、保存の対応を早急にお願いいたします。
天然記念物は、本町の自然と歴史を象徴するものであり、未来へと受け継ぐべき大切な財産です。そして、天然記念物に限らず、町民からの情報にできるだけ早く対応することは、これは行政に求められていることだと思います。今回のことで何かしら行政運営、そういったことで気づくもの、教訓になったことがあれば、それを生かしつつ、今後の町の発展、そういったところにつながる取組を期待、そしてお願いをして、次の質問に移ります。
〇国際忍者学会の結果と今後の展望について
それでは、国際忍者学会の結果と今後の展望について、教育長にお伺いいたします。昨年12月の一般質問で、国際忍者学会について触れましたが、9月に行われた国際忍者学会の内容と結果はどのようなものだったか、答弁をお願いいたします。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)9月14日、15日の2日間にわたり、第7回国際忍者学会大会が中之条町、東吾妻町、両町を会場に、国際忍者学会主催により開催されたもので、町は群馬県、東吾妻町とともに後援をさせていただきました。1日目は、東吾妻町において両町長のほか、山本県知事に出席いただき、オープニングセレモニーと研究発表が行われました。学会として過去最高の172名の参加による学会大会となっております。大会後は四万温泉において懇親会が開催され、参加者相互の交流が図られました。2日目には、忍者関連の史跡などを巡る巡見が中之条コース、東吾妻コースで実施されています。博物館ミュゼでは、この大会の開催に合わせ8月上旬に県庁1階県民ホールで忍者展を開催しました。また、9月16日には特別講演として、道の駅霊山たけやま、たけやま館において真田忍者を題材として、講談師、玉田玉秀斎さんによる新作講談が行われ、募集人員を大幅に上回る参加をいただきました。また、博物館企画展も学会大会の前日、9月13日から12月11日までの日程で開催しておりますが、県内外から多くの方々にご来場をいただき、好評をいただいております。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)私も9月14日の初日と、また16日の玉田先生の講談に参加いたしました。14日の過去最高の参加人数はもちろん、16日の観客数の多さ、それにも大変驚きました。改めて真田忍者の人気の高さを認識いたしました。ミュゼの企画展にも2度ほど、今、後期分で展示内容が幾らか変わっておりますが、拝見いたしました。また、明日7日には真田忍者観光シンポジウムが開かれるということで、こちらにも大変期待しております。
この吾妻地域は、ほかの地域とはまた違った忍者の歴史や伝承が残る場所だと聞いておりますが、国際忍者学会の大会の中で、そういったところはどのように紹介、評価されたでしょうか。
〇議長(安原賢一)教育長
〇教育長(山口暁夫)大会のオープニングでは、吾妻郡由来の真田忍者の末裔による演武が披露されました。中之条町からは、真田十勇士の1人、猿飛佐助のモデルと言われる唐沢玄蕃のご子孫が紹介され、参加者からは大きな関心を集めたようです。
以上でございます。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)この中之条町、先ほどオープニングセレモニーなどで唐沢玄蕃の子孫の方など出演なされたということでありましたが、こういった確実な忍者の末裔、そういった方がいる地域、そういったところは全国でもほぼ吾妻地域だけのようです。特にこの中之条はそういった忍者の末裔の方、多くいらっしゃいます。また、忍者だけに限らず、戦国期の文献資料など、貴重なものが吾妻、中之条地域には大変多く残っているようです。そういった頃の歴史関係の方からも大変この中之条、注目を集めているというふうに伺っております。
そういった貴重なものが、この吾妻、中之条には残っていて、つい最近も新たな文献が町内において発見されたというふうに、ミュゼの山口館長からつい先日教えていただきました。そういった資料、まだ展示されていない資料などたくさんあると思います。旧西中学校にはそういった資料、数多く保管されていますが、こういったものの有効な活用も必要だと考えております。
そこで町長にお伺いいたします。町の忍者も含めた歴史文化、こういった文化を今後どのように観光振興、地域活性化に活用していくか、考えや具体的な計画があれば教えてください。よろしくお願いいたします。
〇議長(安原賢一)町長
〇町長(外丸茂樹)真田忍者が戦国時代に上州吾妻で活躍した史実をより多くの方に知っていただくため、今回ミュゼの企画展で使用した説明パネルや、貴重な展示物を道の駅霊山たけやまのたけやま館に移し、常設の忍者資料展示スペースとして、来年早々には同所に設置をさせていただきたいという考えでおります。
また、上州三名湯の草津、伊香保、四万は、戦国時代より真田氏が隠し湯として利用し、荒廃していた湯治場を復興したと言われていることなどから、今後真田氏と温泉を関連づけ、観光各部局とも連携しながら交流人口増加につなげる施策を模索してまいりたいと考えておりますので、ぜひ福田議員からもいろいろご指導、ご提案あったらよろしくお願い申し上げます。
〇議長(安原賢一)2番、福田さん
〇2番(福田公雄)たけやま館、こちらで常設するということで、昨日の山田みどり議員の一般質問の中にもありました道の駅霊山たけやま、どうやって集客を増やしていくか、そういったことにもつながると思います。ただ、忍者人気がありますので、常設すれば確かにお客様はいらっしゃると思います。ただ、そのたけやま館単体だけで呼ぼうとすると、なかなかこれは思ったよりも効果が上がらないのではないかと思います。こういった集客、PRのためには何かしらそのストーリー、そういったものをつくっていく、お客様に、伝えていく、そういったことが必要ではないかと思います。
例えばたけやま館であれば、嵩山合戦、これに関連づけてPRすることが効果的ではないのかなと考えます。嵩山合戦の折には、武田軍これを率いていたのは真田幸隆とその3人の息子、この真田軍が率いていました。進軍ルートとしては、暮坂峠を通り沢渡温泉を経由して、その後八尺、そして伊賀野を通って、当時伊賀野を通る道が沢渡から四万、中之条、そちらに向かう本街道でありましたので、そちらを通って嵩山城に攻め上りました。もちろんたけやま館がある場所、こちら戦場になっておりますので、もう嵩山合戦のその場所としてPR等はできますが、それに併せて暮坂峠から沢渡温泉、そして伊賀野、もしかしたら当時もう既に伊賀野のモミの木がそこにあったかもしれない。そして、人気のある真田一族、これが暮坂峠、沢渡温泉、なかなか興味を持っていないと知らないところではありますが、こういったところを関連づけてというか、これは史実なので、こういったストーリー、多少想像の範囲ということになる部分もあってもしようがない面があるかもしれませんが、そういったことをストーリーとして関連づけてPRなどをすれば、また一層大きな効果が生まれるのではないかと考えております。
こういった歴史文化、中之条町民の方、なかなか思っているよりも大変深い歴史文化がある町です。ぜひこういったことを町民の方が、町に誇りを持ってもらう。また、観光で交流人口を増やす、そういったことにも活かしていただければ大変ありがたく思います。今後もよろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。