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「芳ヶ平湿地群」ラムサール条約湿地登録簿掲載
平成27年5月28日
貴重な自然の宝庫 芳ヶ平湿地群
群馬県の北西部、中之条町と草津町に広がる芳ヶ平湿地群は、草津白根山(標高2,160m)の火山活動に大きく影響を受け形成された湿地、河川、池沼群です。
標高2,160mの草津白根山湯釜をはじめ、標高約1,800mの芳ヶ平湿原、大平湿原、平兵衛池、大池、水池、標高約1,200mのチャッボミゴケ公園穴地獄までをつなぐ湿地群から成り立っています。
湿地群は群馬、新潟、長野の三県にまたがる上信越高原国立公園第1種及び第2種特別地域に指定されています。
草津白根山(活火山)の荒涼とした原野から一歩踏み入れると、目の前には緑豊かな湿地が広がります。湿地群にはワタスゲをはじめ様々な高山植物や特別天然記念物であるニホンカモシカ、日本固有種であるモリアオガエルの最高標高繁殖地や東アジア最大級のチャツボミゴケ群落など世界的に重要な生態系が存在します。
ラムサール条約とは? その目的とねらい
1971年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されました。この条約が、開催地にちなんで一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。
その目的は、「保全・再生」「賢明な利用」「交流・学習」と言われています。貴重な生態系を「保全・再生」するのはもちろんですが、そこから得られる恵みを「賢明な利用」として活用し、「交流・学習」を通して広めていくことも重視されています。
湿地は多種多様な動植物の生息地であり、私たちの暮らしを支えている貴重な資源です。芳ヶ平湿地群において、今後も適切な管理により自然環境の保全、活用を行いより多くの人がその価値を認め、訪れる場所になってほしいと願っています。
芳ヶ平湿原周辺のラムサール条約登録を実現する会
平成25年3月24日(日曜日)、六合保健センターにおいて中之条町と草津町の関係者が一堂に会し、「芳ヶ平湿原周辺のラムサール条約登録を実現する会」発会式が行われました。
会では、周辺の生態系を維持しつつ、そこから得られる恵みを持続的に活用することで地域の活性化に結び付け、その資産を未来へ引き継いでいくことを目的に、両町で協力してラムサール条約登録を目指してきました。
今後も芳ヶ平湿地群の自然を守るため、科学的な調査結果等を基に、この素晴しい自然環境を広く人々に伝えるため、広報・啓発活動を行っていきます。
主な活動内容
平成25年度
- 銀座 ぐんまちゃん家(ぐんま総合情報センター)
推進資料展示(4月~9月) - 芳ヶ平湿原周辺自然環境調査事業の実施
上記調査に伴う調査委員会の開催「4回」 - 芳ヶ平湿原周辺自然観察会の開催(7月~9月)
- 芳ヶ平湿原周辺フォトコンテストの実施
- 自然観察指導員講習会の開催(日本自然保護協会共催事業 9月)
- 芳ヶ平湿原周辺資料の常設展示会場の開設(六合支所 10月)
- 同上 記念講演(日本自然保護協会理事長 亀山章氏)
- 講演会(環境省自然環境局野生生物課長 中島慶二氏 11月)
平成26年度
- ラムサール条約湿地情報票等作成支援業務の実施
- 芳ヶ平湿原周辺自然観察会の開催(7月~10月)
- 自然観察指導員会の開催(日本自然保護協会共催事業 8月)
- 銀座 ぐんまちゃん家(ぐんま総合情報センター)
- 芳ヶ平湿原周辺フォトコンテスト入賞作品展示(9月)
- 登録に向けた名称を「芳ヶ平湿地群(Yoshigadaira Wetlands)」とし、ロビー活動及び広報・啓蒙活動の継続
【芳ヶ平湿原周辺のラムサール条約登録を実現する会】発足式
六合保健センターにて 平成25年3月24日
講演会
「六合の歴史と自然 ラムサール条約登録湿地に向けて」 公益財団法人日本自然保護協会理事長 亀山章氏 平成25年10月5日
「芳ヶ平をどう活かすか」 環境省自然環境局野生生物課 課長 中島慶二氏 平成25年11月10日
自然観察会
芳ヶ平湿原にて 平成25年7月20日
芳ヶ平湿原にて 平成25年9月21日
フォトコンテスト
「芳ヶ平湿原周辺フォトコンテスト」2013最優秀作品 「朝もやの湿原」 平松啓一郎